2019年10月18日

林田と松田







林田は松田の素性を知らない。
ただ、会社の上司に言われ、関係先に連れて回っただけだった。

松田は、こんなイベントには全く興味は無かった。
地元の優良ヤクザとして、一応、関わっている素振りを見せただけだった。

けれどハーバルでイツキを見付け、がぜん目の色が変わる。




「……これで全部ですね。……どうしますか?本社に戻りますか?」
「……いや、どこか…、最寄りの駅にでも降ろして貰えるかな」
「はい」


林田は運転席から、後部座席にどかりと座る松田に声を掛ける。
素性を知らないまでも…、なんとなく…、怖い関係の人物なのだろうと想像はつく。
祭りやイベント、興行に、そういった団体が付くことは、昔から良くある事だった。



「……みなさん、元気な会社で…。……意外と、若い方も働いているんですね」
「ええ。地元の高校にも就職の募集をかけてますから…」
「…ハーバル…だったかな…、……若い…男の子。……あの子も地元の子?」
「…え?……イツキくん?……いや、彼は最近、都内から越して来たんです。…ちょっとした紹介で……」




ごくごく自然な流れでそんな話をして、林田は松田を近くの駅まで送り、丁重に別れる。

その後、林田は残りの仕事を片付けるため、自社に戻り

松田は、駅前からタクシーに乗り、どこかに向かうのだった。



posted by 白黒ぼたん at 23:33| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記
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