2019年12月09日

フェスタ・22







『……どうする?……俺、何か、手伝うかい?』
『……いや。……連絡をくれた事は礼を言う。……じゃあな』



そう言って、黒川は松田との電話を切った。
切ってすぐに、まず、イツキに電話をしてみるが……、その電話にイツキが出る事はなかった。

『………クソ』

悪態を一つ付く。久しぶりの都内で、誰か知り合いにバッタリ出会い…付いて行ったのか。
同席する他の誰にも、何も告げずに?……そんな事はないだろう。

そうだとすれば、強引に連れ去られたか。それには心当たりがある。




黒川は、笠原に電話を入れてみる。
けれど、その電話も、繋がらない。


逆に、そのことで黒川は、イツキは笠原と一緒にいるのだろうと確信した。








黒川に無碍に電話を切られた松田は、どうしたものかと、しばらく店の外で呆けていたのだけど
他に何か情報は無かったかと、一度、店の中に戻る。
すでに閉店間際で、テーブルの片づけをしていた従業員は
男子トイレに、ケータイの落し物があったことを教えてくれた。

『……あー、それ、俺のツレのです。今、俺、鳴らしますわ、……ね、繋がったでしょ?』

従業員の目の前で松田はイツキのケータイに電話をかけ、それを回収する。






イツキと黒川と、どこかの強面とのトラブルは
松田にとって何の関係もない、どうでも良い問題だったが
とりあえず…面白そうだと、くすくす笑う。

ここで黒川に恩を売っておくのも悪くはないし、何より
可愛いイツキが、気になるのも、確かだった。






posted by 白黒ぼたん at 21:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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