2019年02月24日

夜逃げ・2









「……だって、……全部、終わったって…。マサヤがお金、返してくれて…、……それで俺、マサヤのになったんでしょ…。……今更…」

「だから代が替わったと言っただろう。若造、先代の契約は知らんとゴネ始めて…、…何か、別口の借金の借用書が出て来たとか…、まあ、インチキだろうが…」

「…借金。…お金、……いくら?」




降って湧いた災難を説明しながら、車はさらに奥へ進む。
道路の案内標識に「群馬」の文字を見付け、イツキは思わず二度見する。




「金じゃない、お前だ。とにかく、岡部の息子を出せと言っている。
……さすが、売れっ子だな。引く手あまただ。……ふふ、いい、金づるだからな…」




悪態は決して本心ではないのだろうが、そう零しでもしないと、気が収まらないのか。








到着したのは地方都市のビジネスホテル。
チェックを済ませ、二人で部屋に入り、途中、コンビニで買った弁当などで腹を満たす。

イツキは、何を食べても、味がしない。
口の中が渇き、ザラザラとし、無理やり物を飲み込むと、胃の中がズンと重たくなった。




「……お前、しばらくここで、隠れていろ。とりあえず、状況を整理せんと、どうにもならん」
「……しばらくって、……どれくらい?」
「2,3日か、…一週間か…。まあ、そんなに長引かせるつもりも無いが……」




posted by 白黒ぼたん at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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