2017年07月28日

数十分後







「さて、次は何で遊ぼうか?」


男はそう聞いて、イツキの湿った背中に手をやる。
実際、今のイツキは、その感触だけで…どうにかなってしまいそうだったが、それは、隠す。

部屋に来てから一時間、二時間。
イツキだけずっと、鳴かされ続けていた。
玩具を詰められ、刺激され、限界の手前まで追い立てられては、緩められ
何度も際まで来たのだが、イクことはなく、



男は、最後に少し自身を擦り、射精したようだったが

それは目的ではないらしい。


とにかく、イツキの乱れた姿を見たいだけだった。







「………もう、これ、……抜いてほしい。………だめ?」




イツキはベッドの上で身体をくねらせながら、男に懇願する。
しばらく前からイツキの中には、中を刺激する、曲がりくねった妙な玩具が埋められていて、
しかも、イツキ自身が排泄できないように、上からロープが巻かれていた。

玩具は、すぐにイツキを犯し、気を変にさせる凶悪なものでな無かったが

確かに、そこにあり

徐々に、イツキを、おかしくさせるものだった。




「……もぞもぞ、……するの。……もう、や……
イクなら、イかせて……、おれ、……へんになっちゃう……」

「それが見たいんだよ、イツキくん。……次はコレ、しようか…?」


男は笑って、持参していたポーチから、尿道に突き刺す細い管を出して見せる。
イツキは眉間にシワをよせ、唇を噛みしめ、顔を横にそらせる。






その顔が、快楽に溶け
みっともなく開き、濡れ、次を求め
男をさらに悦ばせるのは



ほんの、数十分後。





posted by 白黒ぼたん at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

おつかれイツキ







「お疲れ」




事務所に顔を出したイツキに、黒川は、
本当に、普通に、ただ外回りに行って来た若造に言うように気軽に、声を掛ける。

イツキは、黒川を見遣り、解りやすく頬を膨らませ、黙ったまま中ほどに進む。

一ノ宮でもいれば、イツキに優しく労いの言葉を掛け、甘いコーヒーでも淹れてやるところだが
生憎、今は、黒川のみ。
黒川は自分の仕事の手を休めることもなく、イツキを見も、せず。

あろうことか、飲み物を取りに冷蔵庫に向かったイツキに、
「…ビール」とだけ声を掛けた。





ガン、と。
イツキは黒川のデスクに、ビールの缶を置く。




「………最近、俺、………多くない?」
「何がだ?」
「……あんたの、……手伝い…」
「…そうか?」
「そうだよ!」



確かに。イツキから、
黒川の手伝いを…、以前の仕事まがいの事をするとは、言ったのだが……
最近はその回数が、目に見えて、増えていた。

やむにやまれぬ付き合いだ、大金が絡む取り引きだと、色々理由を並べられても

する、内容は、同じ。





「……いいけどさ、別に、いいけど……。
マサヤは、………いいの?………何とも感じないの?」



イツキは黒川のデスクの脇に立ちながら、そう、語気を強めるも
黒川は顔も上げずに



「ああ。……明日は小野寺との食事会だ。……キバレよ」



と、言うだけだった。






posted by 白黒ぼたん at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年07月31日

一人の部屋






一人の部屋で明かりも付けずに
イツキは、キッチンの流しの前に立ったまま、飲み終わった牛乳のコップを洗っていた。
とうに汚れは落ち、洗剤の泡も流されていたけど
底に、少し、曇りが残っているような気がして、
出しっ放しの水の下で、コップをくるくると回す。


別に、自分が
黒川の恋人になった訳ではない事は
解っていたけど
それでも、ただの商売道具ではなくて
多少は、情がある、深い仲になったと、
イツキ自身の意思を尊重し、大切に扱い
いずれは対等に付き合える、パートナーになれるのだと


思っていたのは、勘違いだったのだろうか。



「……あ…」



気が付けば、涙がぽたぽた零れていた。
蛇口の水と一緒くたに、流れていく。
イツキは手の甲で目を擦り、蛇口の水を止め、
コップをシンクの脇に置く。



因縁のある小野寺と、再び、関係を持つことが嫌なのではなくて
そんな事に、黒川が、何も構ってくれない事が、嫌だった。



「………もう、………止めちゃおっかな……」




何が、何を、かは自分でも解らなかったけれど
独り言は、思いのほか大きな声で、誰もいない部屋に響いていた。




posted by 白黒ぼたん at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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