2017年10月22日

清水の話・1







朝。
教室に入ったイツキが一番最初に目を合わせてしまったのは、清水だった。
別に何の意図もなく、本当に偶然だったのだけど

馬鹿なイツキは、思わず息を飲み、視線を逸らせてしまう。



最近のイツキは、ひとり遊びが過ぎる。
自慰など、年ごろの男子なら、珍しい事ではないが
イツキは少々、程度が違う。



「おはよ。…何? イツキ、どうした?」
「………なんでもないです」
「…んー?」


席に着き平静を装うイツキに清水は近寄り、顔を寄せ、尋ねる。
イツキはそっぽを向いたまま、口籠る。

汗や精液の臭いはシャワーで流してきたが、逆に、石鹸の匂いが、艶めかしく立つ。
自分が、性欲を持て余していることも解っている。
自分の、深い所までを知っている清水には、それがバレてしまう気がして

バレる前から、恥ずかしさで顔を赤くしてしまう。



「……また、何か…、あったのか?……黒川さんと?」
「…ちがいます…」
「ヤッて、朝帰りか?」
「…ちがいますッ」



ムキになって声を荒げるほど、余計、何かあったのでは無いかと思わせる。
それでも清水はそれ以上詮索する事は無く、冗談めかして軽く笑い



「まあ、何かあったら、俺に話せよ?」


そう言って、イツキの頭をぽんぽんとやって、去っていくのだった。







……続くんだ?

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2017年10月23日

清水の話・2







実を言えば清水は、イツキに、何かが……あった事を知っていた。
家に来た西崎がいつものように、イツキの、下世話な噂話をしたのだった。


『…あの、馬鹿。社長にタテ付いたらしいぜ。……あいつは大人しく、ヤられてればいいのによ。…何様のつもりだよ。
……まあ、しばらく干されて…、…今頃溜まってるぜ?。……ヤり頃だろうよ、はっはっは』


酒を飲みながら、そう話す。
西崎の話はいつも、イツキを蔑むばかりで、具体的に何があったのかは解らなかったが、
二、三週間前に、黒川と揉めた事は確かだった。


丁度同じ頃に、梶原が、顔に派手な青アザを作っていた。
何か関係があるのかも知れないと思っていたが、学校では、なかなか踏み込んだ話をすることが出来ず
うやむやなまま、日が過ぎてしまっていた。





授業中に、イツキばかりを見る。
あまりに見過ぎて、梶原に睨まれる。




二人きりでゆっくりと話をする機会を、ずっと伺っていたのだけど
そんな機会は中々訪れないので、
清水は少々、乱暴な手を使うことにする。





昼休み。
食事を終えたイツキはトイレに向かう。

食堂に一番近いトイレは利用する者も多く、イツキは、あまり好きではない。
あえて渡り廊下の向こう、体育館に併設されているトイレが、この時間は一番静かなので、そこまで行く。




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2017年10月24日

清水の話・3








食堂では遠巻きにイツキを見ていた清水だったが、イツキがトイレにと席を立つと、そっと、その後を付ける。
渡り廊下の向こう、人気の無いトイレ。
頃合を見計らい清水が覗くと、イツキは用を足したようで、手洗いで手を洗っていた。



辺りをまるで警戒していない様子。……まあ、もっとも、トイレで身構える必要など、普通ならば必要ないのだけど……。
少なくともイツキは過去に、学校のトイレで襲われた事があるのだから、ちょっとは気にした方が良い。


二人きりで少し話がしたかっただけの清水は、少し、意地悪な悪戯をする。





「………ッ…やっ………」



下を向き手を洗っていたイツキにそっと近寄り、清水は後ろからイツキの口を塞ぐ。
そのまま頭ごと抱え込むようにして手洗いから引き剥がし、脇の、トイレの個室へと連れ込む。
洋式便座の上に放りだすように押し、座る格好になったイツキの上に覆いかぶさり、胸や腰に手をやる。
その手を、足と足の間に滑らせ、中心を擦り上げる。




「……なんちゃって。……はは、お前、油断しす……ぎ………」




清水が笑ってそう言って、手を緩めた時には



イツキは顔を背けたまま小さく震え、ぽたぽたと、涙を零していた。






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2017年10月25日

清水の話・4







「ごめん。本当にごめん、イツキ。マジで、ごめん。…ごめん!」



相手が清水で、それが質の悪い冗談だと解ってからも、イツキの震えは止まらず
慌てた清水は、手をわたわたと宙で振り回し、ひたすら謝る。
イツキが、そういう事に頻繁に遭うとしても、それを、喜んで受け入れている訳では無い。
いつだって、怖い事に、変わりはない。



「……ごめん、イツキ……」
「………い…じょうぶ。……大丈夫です」
「……ちょっと、話がしたいなって…思って。…見掛けたから、ちょっと脅かそうかなって…」
「…は、は。……脅かし過ぎです、先輩。………びっくりした……」



ようやくイツキは落ち着いたようで、便座の上にきちんと座り直すと、無理な笑顔を浮かべて見せる。
頬に残る涙の粒を、手の甲で拭う。

脇に立つ清水はイツキを見下ろし、大いに、反省するのだが、同時に
………不謹慎にも、欲情する。



「…で、どうしたんですか?……話って…、わざわざ、トイレで?」
「あ、ああ。…はは。……朝の続き。…お前が……」




『溜まってて、ヤリ頃だろうよ』




途中で、西崎の言葉が頭をよぎる。

何事かと見上げるイツキの顔は、潤んだ瞳のまま、口元は赤く、僅かに開く。






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2017年10月26日

清水の話・5







教室では、梶原が
午後の授業が始まってもイツキが戻って来ない事を、心配していた。
ただ、眠くて、面倒臭くて、どこぞで時間を潰しているのなら良いが、

問題は、清水も、一緒に居なくなっているという事だった。









「……先輩、駄目です…。……だめ…」
「………ん。………解ってる……」


そう言いながらも清水の動きは止まらない。
イツキの唇を貪るように喰みながら、手を、シャツの中に滑らせ、素肌を撫ぜる。
胸を触ると、僅かな突起に当たり、爪先で弾くと、イツキは喘ぎ、
もがき、手を突っぱねてくるので、清水はその手を取って、自分の股間にあてがう。

すでにズボンの中でぱんぱんに膨らむそれに、イツキも、ドキリとした様子。
酷く物欲しそうな顔に見えるのは、気のせいでは無いと…清水は思う。

ベルトを外し、ズボンのチャックを下し、下着ごと腰までずり下げる。
目の前に現れた若い牡の、蒸れた独特の匂いに、イツキの脳は、麻痺する。




午後の授業が始まったのだろう、体育館が賑やかになる。
トイレの、すぐ隣には、体育用具室がある。そこに人が入って来たようで、壁一枚隔てた向こうで、何か、話し声も聞こえる。
そんな場所で声を潜め、身体を寄せ合っているだけで…余計に、感じてしまう。




「………あっ、………んんん」



一気に挿入され、イツキは思わず声を上げてしまい、慌てて唇を噛みしめるのだった。




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2017年10月27日

清水の話・6







体育用具室では一年生の女子が、バスケットボールのドリブル練習で使う三角コーンを取りに来ていた。
いくつかはマットの奥に入り込んでしまい、なかなか、苦戦する。

ふと、壁の向こうから、ドンと音がしたような気がして、手を止める。

「……ねー、何か、音、する?」
「誰かがボールぶつけたんでしょ。早くしないと怒られるよ?」
「……んー…」

一人の女子は立ち止まったまま、もう一度、耳をそばだててみるのだけど
いかんせん、体育館では他の賑やかな物音が多く…結局、良く解らないまま、用具室を立ち去るのだった。








「………せ…ん…ぱ………い、……そんなに、……来たら…、おれ………」
「無理。…止まんねーもん……」
「………がまん、…できない……」


壁の向こうではイツキと清水が事に及んでいた。
普通の、狭い、洋式の個室。
イツキを座らせて正面から…では、どうにもならず、縺れ合ったまま二人とも身体を起こし、、
イツキは壁を向き、いわゆる立ちバックの姿勢で、清水を受け入れていた。

後ろから激しく突かれて、イツキは声が漏れそうになるのを、必死で堪える。



手と、頬を、壁に付け身体を支えるのだが、その分振動は逃げ場を失い、身体の奥で響く。



いつもよりも、……良いのは、相手が清水だからではなく、

単純にセックスが久しぶりなのと、この場所のせいなのだと、イツキは頭の中で言い訳をしていた。






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2017年10月29日

清水の話・最終話








「……ごめんな、イツキ。……結局、なんか…、俺……」
「いえ、……おれも…、…………止まんなかった…」


事を終え、トイレから出て来た二人は互いを気遣い、そう言って照れ臭そうに笑う。
…性欲を持て余す若い二人。以前は好き合った仲。
しかも、今でも気持ちが残っていない訳ではないのだから…、状況次第で、こうなってしまうのは致し方ないと…、お互い、思う。


「…あー、あのさ。……今度、ホント、ゆっくり話そうぜ。……今度は、シない、絶対だ。
学校じゃなくて、どこか、別の場所で、ゆっくり……。

もっと、お前とちゃんと話がしたい。……いいだろう?」



今しがた険しい雄の顔で自分を抱いた男と、同じ男とは思えない程の柔和さで、そう請われて、……イツキは思わず、こくんと首を縦に振った。










午後の授業もとうに終わった頃、イツキと清水はこっそりと教室に戻って来た。
すでに帰り支度でざわざわとする教室。誰も二人の様子など気にも留めていなかったが、
ただ一人、梶原だけが目ざとく見つけ、イツキと清水の顔を交互に見遣る。


イツキはどこか申し訳なさそうに、視線を逸らし
清水は、自信あり気に、ニヤリと笑う。




「……どこ行ってたんだよ。……清水さんと一緒だったんだろ?」
「ちょっと…。話し込んじゃって…、………それだけ」
「……話し、だけ?」



梶原はイツキにそう詰め寄るも、それ以上の事は聞くことが出来ない。
…妙な艶めかしさと…、トイレの壁に押し当てられた時に出来た、頬の赤い跡。

……もしかしたらと思うだけで、逆に梶原が、顔を赤くするのだった。








焼けっぼっくいに火が付いちゃう??
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2017年10月30日

西崎、最低







その災いは避けようが無かった。
西崎はイツキの部屋の鍵を持っているのだ。









清水と少々、親密な時間を持った、数日後。
特に何事もなく一日を終え、自分の部屋に帰る。 

……週末は、向こうの、黒川との部屋に行ってみようか…、それとも、誘われるまま清水と、どこかに遊びにでも行こうか。

相変わらず、何の連絡も寄越さない黒川に義理立てする必要は無いのだと、自分に言い聞かせる。


考え事をしていて、注意力が散漫になっていたのかも知れない。



部屋に入り、廊下とリビングの照明を付ける。
キッチンに入り、水を一杯、飲む。
制服の上着を脱いで、ハンガーに掛けようと、寝室の扉を開ける。


直後、ベッドに倒れ込んだイツキは、自分が何かに躓いたのかと思った。




「……えっ…、な…なに……、………ひっ……」



身体の上に、重しが乗る。
リビングから明かりが漏れるだけの薄暗い部屋では、自分の身に何が起きたのか、解らない。



「……へへ。……待ったぜ、イツキ。……どこで油、売ってやがった……」



強烈に酒臭い息とともにそう声を掛けられて、イツキはそれが、西崎だと知る。





posted by 白黒ぼたん at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月31日

西崎、最低・2








いわゆる中年太りの西崎に腹の上に乗られて、イツキは逃げる事も出来ない。
とりあえず手をバタつかせて、西崎の腹を叩いみるのだが、西崎は面白そうにニヤニヤ笑う。

イツキの手首を掴み、ベッドに押し付ける。身体を屈め、唇を重ねる。
酒臭い息と生温い唾液が咥内に溢れ、イツキは眉をしかめ、顔を背ける。




「…社長に捨てられて、ご無沙汰なんだろう?……遊んでやるよ」
「に…西崎さん…、こんな、…こと、……許せない」
「は、は。そんなタマかよ。欲求不満で、テメーで、テメーのケツ、穿ってる奴が。
……手伝ってやるって言ってるんだよ」


そう言って西崎は、卑猥な形の玩具を手に持ち、イツキの目前にかざす。
それは…、確かにイツキが…、一人遊びに使っていたもので…、ベッドの脇の引き出しに入れていたものだった。

咄嗟に、その引き出しを見ると、中が晒されている。

シリコン製のディルドや、ビーズ。潤滑のためのジェルやローション、その他色々。
勿論、イツキが好きで集めたものでは無いが、見られて楽しいものではない。

イツキ、だろうとも、羞恥心はある。




「やっ……、勝手に……、やだ、西崎さん……ッ」
「……はは。……どれが好きなんだ?……突っ込んでやるよ?」
「…やっ……いやっ…………」




身体をくねらせ、手を振り回し、西崎の身体をポカスカ叩いてみても
そんな抵抗は西崎にとって、ただの余興で。
半ば、剥ぎ取るように、イツキのシャツを脱がし、ズボンを緩め、下着をずらす。



西崎は引き出しにあったジェルを手に取ると、それを、イツキの股間に塗りたくった。






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