2022年04月02日

雨の日・5









「…作戦…と言うか、まあ成り行き上…。
私も以前は社長と同じように、無理な案件を強引に押し通すタイプでしたが…
…色々ありまして…、もう、今は…違うので…」

「色々って?」

「……えーと…」




レノンの質問は続く。
思わせぶりに言葉を濁し『色々あって…』と憂いてみせれば、大体の人間は事情を察し、それ以上聞いてくることはしないのだが…レノンには通じないらしい。
無邪気というか空気を読まないというか。
だからどうした、と被せ気味に一ノ宮の顔を覗き見る。


一ノ宮はゆっくりとコーヒーを啜る。
雨音は静かに、部屋に染みる。








「もう10年以上の前の事です。……ちょっとした、喧嘩がありまして。
私は無茶をし過ぎて命を落としかけて、それを社長に助けて頂いて。

…それ以降、…何ですかね。……頭の打ちどころでも悪かったのか…
どうにも、人並みの感覚というか…感情が……薄くなってしまって…


ですから、表に立ち、人と接し、物事を動かすのは社長にお任せして
私は後ろでサポートをする。そんな形が…落ち着いたようですよ」






一ノ宮が自分の事を話すのは珍しかった。

レノンは、話が解ったのだろうか。

とりあえず「へえー」と軽い相槌を打ち、「それで?」と言わんばかりに身を乗り出した。






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2022年04月04日

雨の日・6








「ちょっとした喧嘩って何?ヤクザの抗争ってやつ?
どんな怪我?……死にかけたの?」

「……まあ、そんな所です。…さ、もうお喋りはお終いです…」



さすがに一ノ宮も辟易とし、もう止めにしましょうと手の平を前に出す。
どうにも、屈託のない様子でぐいぐいと押されると…拒むタイミングを見失う。
レノンはまだ聞きたいことがあるようで、目を丸くさせ、一ノ宮を見る。
次の質問に口を開き掛け……一度つぐみ、………少し、言葉を探す。



「昔は黒川と同じだったって……、強引に…ヤルって事?……その、
……あんなコトを?………あんたも?」



興味本位だけだった視線に、少し不安の色が滲む。
余程、酷い事をされて来たのだろう。それは知っている。



「……昔は。……多少は。………今はそれも全て社長にお任せです」
「そんなの、任せられるモンなの? 綺麗サッパリ?」
「ええ」



一ノ宮は穏やかに微笑む。
それは営業用の一ノ宮の癖で、別にレノンを安心させようとか誤魔化そうとか、そんな意味はない。
けれど、レノンには、その笑顔が違うものに思えた。



「………一ノ宮さんって、好きな人いる?……そういう気持ちも、無くなっちゃったの?」





レノンの問いに、今度は一ノ宮が口を開き掛け……またすぐに閉じてしまった。

答えが出なかった訳ではないが、答える必要も無かっただろう。




「……子供が。……あまり過ぎた事を聞くものではありませんよ」





一ノ宮は変わらずに微笑んでいたが、その語気はやや強いものだった。







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2022年04月06日

雨の日・最終話










「…いや、マジ、すんません。反省してます。一ノ宮さんが拾ってくれて助かりました」


そう言って佐野は雨に濡れた頭を手で掻きながら、ペコリと頭を下げた。
ちょっとした口喧嘩でレノンを放って帰ったものの、さすがにマズイと途中で思い直し
慌てて引き返し、あちこちを探していたのだ。

タクシーで帰ってくれていれば御の字だが、また何か、別のトラブルに巻き込まれる心配もある。
後で事が露呈し大問題になる前に、佐野は状況を報告するため事務所に寄ったのだ。



「…駄目ですよ、佐野くん。でもまあ、今回は何事もなく良かった」
「……すんません。……ほら、レノン、帰るぞ」



佐野の失態を諌めてはいるが、一ノ宮の言葉は柔らかい。


取り敢えず、今、レノンの2人きりの会話が途切れて良かったと心底思っていた。


あのままでは、質問を止めないレノンを、本気で叱らなければいけない所だった。


レノンは、良いところで水を差されたと不満気だったが、この部屋に入って来た時ほど険しい顔はしていなかった。





「…レノンくんも。佐野くんと上手くやって下さいね。
彼は、口と態度は悪いですが、頼りになる人ですよ」

「…はぁい」



レノンは渋々返事をし、肩に掛けていたタオルをテーブルの上に投げ
借り物のジャンパーをそのまま羽織り、ソファから立ち上がる。
扉の前で佐野は失礼しましたと深々頭をさげ、隣りに来たレノンにも礼をしろと促す。

レノンは顎を突き出すような、軽いお辞儀をする。そして





「……でも一ノ宮さん。俺は、一ノ宮さん、好きだな」





最後にそんな事を言って、レノンは事務所を出て行った。




 
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2022年04月11日

僅かな時間










事務所の扉を閉めて足早に階段を降り
すぐ目の前に停めていた車にレノンを押し込み、自分も乗り
佐野は、それまで息をしていなかったのではないかと言う位
大きな大きなため息を付いて、隣りに座るレノンを見遣る。



「お、お前、一ノ宮さんに何言ってるんだよっ」
「…何って?…別に俺、変な事言ってないだろ?」
「言っただろうが、好きだのなんの。お前、事務所でどんな話し、してたんだよ?」
「あんたには関係ないよ」



佐野は、レノンの、一ノ宮に対する妙に気安い態度に面くらっていた。
佐野にとって一ノ宮はやはり怖い存在だ。
特別何か酷い扱いを受けた訳ではないし、いつも穏やかな笑顔を浮かべてはいるが。

怖い、というよりは、不気味、という方が近い。
金や女に一切の執着も持たず、ただ、黒川の為に働く。
バックに控えて、全ての手筈を完璧に整えて、実行する。

どうして、そう、なのか知りたいと思うことはあっても
聞ける雰囲気も無いし、聞いたところではぐらかされるのは目に見えていた。


その一ノ宮と、この僅かな時間で何を話せば「好き」だの、そんな答えになるのか。
何かが変わったのか。



どこか空気まで柔らかくなったレノンを横目で眺め、佐野は思った。







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2022年04月12日

雨の夕方・1








レノンと佐野が慌ただしく事務所を出て行き、
一ノ宮はやれやれと肩で息をつき、コーヒーカップを手に、ソファから腰を上げる。

窓側に立ち、外の様子を眺める。
雨は強さを増したようだ。ガラスに雨粒が当たり筋を作って流れて行く。



「…まだまだ、怖いもの知らず、と言うところでしょうか…」



つい先刻のレノンの言動を思い出したのか、一ノ宮そう呟いて笑う。
やや失礼な物言いは、驚きこそしても、嫌という程ではない。
無邪気さも無鉄砲さも今の自分には無いもので、酷く新鮮に思う。


少しお喋りが過ぎたとは思うが、そんな勢いでも無ければ、なかなか記憶の扉は開かない。




「……10年前…?……いや、もう少し経ちますか……あれから……」




すでに冷たくなったコーヒーを啜りながら
一ノ宮は珍しく、昔のことを思い出していた。



中学時代。今のレノンの歳には既に、地元では有名な不良だった。





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2022年04月15日

雨の夕方・2










家は、世間一般で言えば、良い家だった。
病院を経営する父親。教育熱心な母親。跡目を期待される優秀な兄。

一ノ宮も聡明な子供だったが……兄と比較され続け、その割には望まれず。
まして父親は、金と権力にしか興味のない男。母親はその言い成り。

まあ、兄がいるのだからお前はいらないと、雑に扱われた結果、解りやすく拗ねて行った。


もともと運動神経も良い。喧嘩は強く、中学の頃には地元で名の通った存在だった。
隣の学区にも同じように喧嘩に強い男がいて、直接やり合った事は無いが意識はしていた。

噂では、ヤクザの家の子供なのだと言う。

その男と偶然、同じ高校に進学し、これは大きな争いになると周囲は肝を冷やしたが
どこで気が合ったのかいつの間にか連むようになり、それはそれで、周囲は怯えた。


それが、黒川だった。




「……まあ、レノンくんの粗暴さも…あの頃の私たちに比べたら…可愛いものですか…」




ガラス窓の向こうの雨にけぶる通りを眺め、一ノ宮はそう呟く。
昔のことは、まるでこの景色のようだ。ぼんやりと揺れ、ただ遠くに横たわる。





黒川は、自分のように、小さな理由で道を外れた訳ではなく
最初から、外れていた。

ヤクザと家の子と噂があったが、それは少し違っていた。

正確には、極道の大物の愛人の子供で、その母親もすでに亡くなり
本家とは距離を置いているらしく、あちこちを転々とたらい回しにされて来たと

高校の屋上でタバコを吹かしながら、笑って、話していた。








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2022年04月16日

雨の夕方・3








高校時代にグレていたからと言って、全てが全て、ヤクザや犯罪者になる訳ではない。
一ノ宮も喫煙や飲酒、喧嘩などの悪さはしていたが、自分がそういった者になるとは思ってはいなかった。


状況が変わったのは卒業を間近に控えた頃。

一ノ宮の兄が、交通事故で死んでしまったのだ。



優秀な後継を亡くし、両親の悲嘆は測りしれなかった。
そして、後を頼めるのはお前しかいないと、今度は一ノ宮に期待を掛ける。
今更そんな事を言われても受け入れられるものではないと、突っ張ねるのだが、

意外にも引導を渡したのは黒川だった。




『いい機会じゃないのか?
このまま悪ぶってみた所で、ロクなモンになりゃしない。
チンピラ、ゴロツキ。社会の底辺でケチな犯罪に巻き込まれるのがオチだ。
普通に生きられるのなら、その方がいい。

どうしたって、それが出来ない奴だっているんだからな…』




そう真面目な顔で諭されて


一ノ宮は家に戻る決意をする。






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2022年04月19日

雨の夕方・4








高校を卒業し、一年間、勉強をやり直し
次の年には一応、医学部のある大学に入学する。
元々、秀才肌で頭の回転が良かったとはいえ、札付きのワルからここまで更生するのは
本人の並々ならぬ努力があってのことだった。

この当時は、黒川とは、連絡を取っていなかった。
噂では皆、当たり前のように、ヤクザの事務所に入ったのだと口にしていた。




「…………ん?…………それで…、どうしたのでしたっけ……」




昔の事を思い出すのは、あまり好きではなかった。
大抵は嫌な事ばかりだし、あの事故の後はことさら、それらに霧が掛かっているようだ。



大学に通って2年目。
付け焼き刃の学業も行き詰まり、両親の過度の期待は狂気じみ
些細な切っ掛けで……父親が一ノ宮に手を挙げたのだったが……不満が一気に噴出し
結局、一ノ宮は家を出てしまったのだ。

後から知った話では、父親の経営する病院は負債が嵩み、父親自身の不正や女性問題なども露呈し
非常に追い詰められていた状態だったらしい。
最終的には家も病院も手放し、逃げるように地方へ越したらしいが……まあ、どうでも良い。




一度はまともな道に戻ったものの、また転がるように外れてしまった。
家も、親も、すでに何の制限もない。自分自身への期待も自信も、無くしてしまった。


夜の街に居付き、酒や女や下らない喧嘩に明け暮れ
自暴自棄になっていた頃、また、黒川と再会する。





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2022年04月24日

雨の夕方・5








その頃の黒川は噂通り、反社会勢力と言われる組織に属していた。
昔から馴染みの、遠縁に当たるそうで、黒川にしてみればこの道しかないというくらい
真っ当なルート。



『……お前は、違っただろうに。…なんで戻って来たんだよ』



久々に再会した夜の街で酒を飲み、その日の内に、一ノ宮は黒川と同じ組に入ることを決めた。




再び道を外れた一ノ宮は以前にも増して乱暴で、手が付けられなかった。
親の期待にも応えられず、自ら決めた進路を全うすることが出来なかった。
自暴自棄、という方が良いのか。
所属した組はどちらかと言えば温和な組だったのだが、その中でも目ざとく争い事を見つけ
先鋒に立ち引っ掻き回し、それを黒川が宥めるという

今ではまるで逆の立ち位置だった。



『…この際。ここいらの頭になろうぜ、雅也』
『焦り過ぎだ、修二。親父さんも、そんな事は望んでいない』
『ヌル過ぎんだろう。そんなんだからアイツらにデカい顔されるんだよ」


シマの境界では長い間、向こう側を仕切る組との小競り合いが続いていた。

組としての格が低い向こうは地元の不良など小物を掻き集め、事あるごとに、こちらに嫌がらせをしていた。






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2022年04月25日

雨の夕方・6








血の気が多い、と言うよりは功を焦っていたのかも知れない。
黒川より遅れてこの世界に入った分を、早く取り返したかった。

ある時、敵対する組の情報が耳に入る。
どちらの勢力下でもない一般のクラブで、小物のチンピラ共が幅を効かせていると。
細かな悪事を重ね金を稼ぎ、それが資金源となっている。
そうやって力を付けた頃、一気にこちらに攻め入って来るというのだ。


『そんなの、力を付ける前に叩いちまえばいいんだろ?』


縄張り外という事もあり、とりあえず皆が様子を伺っていたところ
一ノ宮は単身、乗り込んで行ってしまう。
もちろん、そうなる事を含めこれが向こう方の作戦で、血の気の多い連中を引き寄せるエサだった。
小物を叩くのは簡単だったが、すぐ後ろに、組の本隊が待ち構えていた。



状況を知り、黒川が駆けつけた時には、すでに劣勢。
一ノ宮もよく暴れたが、一人でどうこう出来る程度ではなかった。
最後に鉄パイプで頭を殴られたのは酷く効いたらしい。その相手を黒川が蹴り飛ばさなければ
そのまま頭をカチ割られていたかも知れない。

黒川は、チンピラ共の悪事の証拠など、その場を収めるための切り札を持っていた。
双方の上にも掛け合い、どうにか、一ノ宮を連れ帰る事が出来た。





一ノ宮が目を開けた時、そこは病院のベッドの上だった。






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2022年04月27日

雨の夕方・7








ベッドの脇には椅子に座る黒川がいた。
顔の擦り傷にはテープが貼られ、腕に巻かれた包帯には血が滲んでいた。
一ノ宮が目を覚ました事に気づくと、少し、柔らかな表情になる。
それでも、ふんと鼻で息をし『………馬鹿が…』と悪態をつく。


『…………ざまあねぇな………みっともねぇ……』


一ノ宮が絞り出す声はあり得ないほど弱々しい。実際、生きているのが不思議なほどの怪我だったのだ。
未だ意識も混濁している状態。


『……結局、俺は……何にもなれねぇ…、何やっても……ハンパなままだ。……弱い』

『弱くねぇよ。向こうは8人、瀕死だと。……強いよ』

『……強いのはお前だよ、雅也。……お前は昔からブレないよな。……変わらず、強い。
俺は…ダメだ。……悩んで迷って……、結局……何も…………」




一ノ宮に繋がれていた機器が、ピピピと何かの警告を鳴らす。
すぐに部屋に看護師が来て、その状況をチェックしていた。



『修二。お前は強いよ。悩んで迷って、それでも前に進んで来たんだからな……』



この後また一ノ宮は意識を失い、そのまま二週間ほど眠り続けたのだが、
落ちる意識の中で、確かにその言葉を確かに聞いていた。



それを今の一ノ宮が覚えているのかどうかは解らないが。




何かの、救いになったのかも知れない。





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2022年04月29日

雨の夕方・8








はっきりとした診断は出なかったのだが、後遺症と言うものだろうか。
確かに、その怪我以降、一ノ宮は変わった。
何か憑き物が落ちたかのように、静かに、穏やかになった。
生意気だった若造が痛い目を見て、少し大人しくなったのだと周囲は笑った。

やがて所属していた組が諸々事情で解散となり、黒川は独立する。
他の組織からの声も掛かっていたが、一ノ宮は黒川の元に付くことに決める。



『……俺の下で働くとか言うなよ?…気色悪い』
『ははは。どうやら私は先陣を切るタイプでは無いので。裏方に回りますよ』
『……その敬語も…、ヤメロ』
『あなたが「社長」ですからね。当然です。お気になさらず』



そう言って静かに笑い、後は黙々と仕事を片付ける。
……家庭の事情で少々道を外れたが……、元来、これが本当の一ノ宮の気質だったのかも知れない。
黒川は、最初の頃は戸惑っていたようだが、一ノ宮がサポートに付く形が非常にやりやすい。
黒川こそ元々、乱暴で横柄で俺さま気質。仕事を任せ、命令し、手足のように使う内に
すっかりこの立ち位置に、馴染んで行った。










『…修一、おやつは食べた?…学校は楽しかった?』



数年後、一度だけ。施設に入ったという母親に会いに行った。
母親は痴呆が進み、目の前の一ノ宮を、亡くなった兄の名前で呼んだ。

穏やかに頷く一ノ宮は、おそらく、兄と同じ顔をしていたのだろう。







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雨の夕方・終









事務所の扉が開き、黒川が入って来た。
黒川は中に一ノ宮が居るとは思わず、少し意外な顔をしていた。


「……なんだ、一ノ宮。………こんな真っ暗な部屋で何をしている?」
「……え?……ああ、いえ。少し考え事をしていました。ああ…こんな時間ですか」


雨の夕方。感傷に耽る間にすっかり外も室内も、暗くなっていた。
一ノ宮は部屋の照明を付け、冷めたコーヒーのカップを片づけ、新しいお茶を用意する。
黒川はソファに腰掛ける。テーブルにはレノンが食べた菓子の包み紙が散らかっていた。


「…誰かいたのか…」
「……ええ。まあ。…ふふふ」


一ノ宮は笑い、黒川の湯呑みをテーブルに置く。
何か様子の違う一ノ宮を、黒川は横目で見上げる。

付き合いは長いがお互い、全てを理解しているとは言えない。

まあ、そんなものだ。他人を理解するのはそんなに簡単な話ではない。






「………結局、私は、あなたが好きなのでしょうね、雅也」



一ノ宮は突然そんな事を言い、酷く黒川を驚かせるのだった。


















黒川が熱い茶を吹き出し、気管に入りむせ込み
膝上に茶を盛大に零し大慌てになっている所で
ゴールデンウィークに突入でございます。
更新はチトお休みです。

みなさま、楽しい連休をお過ごし下さいませ♪♪



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