2025年07月03日

この先の顛末・2







「どうする?遊ぶ?……どちらでも」


ここ最近の遊び相手、二条虎松からメールが入りイツキは
少し、迷ったものの、YESの返事をする。
今、黒川との関係は良好で、不満も愚痴も、鬱憤を晴らすこともそう無いのだけど
まあ別に特に。深くは考えず約束だからと、男と遊びに行く。

待ち合わせをして軽く食事と酒を楽しみ、ホテルへ。
感情が無くともセックスが出来るのは、黒川の教育の賜物だった。

それでも
『もう、会うの、これで止めるね。いろいろ、話し聞いて貰えて…良かった』

と、関係の終わりを告げる。
男は残念がりながらも 『そう?…またいつでも、呼んでね』と
紳士の素振りでそう言って、ホテルの前でイツキと別れたのだった。




問題が起きたのはこの後だった。




黒塗りのワンボックスカーに押し込まれ易いイツキは、常にもう少し、危機感を持った方が良い。




簡単に拘束される。
もっともガタイの良い、その筋の男たちに突然動きを抑えられ、両手首と口元にガムテープを貼られては
他に、イツキに出来ることは無い。



「……結局、アニキが………、回してくれるって言ってたのによ………
……ハハ、構わねぇだろ………誰とでもヤルみたいだぜ……」




会話の節々からこの男たちは二条虎松の手下なのだと解った。
1人は、先日の三浦の揉め事の時に、二条と一緒にいた男だ。





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2025年07月08日

この先の顛末・3







この男たちは良くも悪くも、イツキの素性を知らない。

「男」との行為に興味はなかったが、どうやら、兄貴分の二条虎松がハマっているらしい。
先日は直前でストップが掛かり、お預けを喰らってしまった。
自分も遊ばせて貰って良いはずだと、少々、頭の悪い男は、同じく頭の悪い男を連れ

イツキを車に押し込み、自分たちが使う古いマンションのヤリ部屋へと向かう。





イツキは、暴れ、抵抗し、自分は黒川のものなのだと声高に叫んでみたのだが
盛り、興奮しきった男の耳には、まるで届かないようだった。
顔を何度か叩かれ、腹を殴られ、痛みに怯むすきに事が進んで行く。
さらに男は気を昂らせようと洋酒のボトルをラッパ飲みし、それを、イツキにも飲ませる。
一応、女との違いは心得ていたようで、なかなか濡れないだろうと
専用の潤滑剤をイツキの中に塗りたくり、その手で、胸やら股間やらを撫ぜ回す。



「………や……」



と、小さく洩らしたイツキの声が、気付かぬ内に男を煽る。



愛撫もそこそこに、とりあえずと突き刺してみると
潤滑剤のお陰か何の抵抗もなくずるりと奥へと飲み込まれていく。

「…お……」

と、声を洩らしたのは男の方で、今まで経験したことの無い感触に戸惑い、驚き
自分は、何と交尾をしているのだろうかと確認するように、まじまじとイツキを眺める。



イツキは
白い身体をのけ反らせ、小さく震わせ
無駄に赤い唇を噛み締めながら、いやいやと、顔を左右に振り
そうしながら、中で咥えた男をきゅうと締め付けるのだ。





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2025年07月15日

この先の顛末・4








二人の男に弄ばれたイツキは、一応抵抗は見せたものの
まあ半分は諦めていて。
ある程度遊び尽くせば解放されるのだろうとタカを括っていたのだが

今回は、違った。

イツキの素性を知らない男は、事の後、イツキがまだ醒めない内に
イツキを別の場所の、別の男に引き渡してしまったのだ。

悪さの証拠を隠す為か、小遣い稼ぎの為か、理由は定かでは無いが

ともかく、次にイツキが目を覚ますと、そこはまた見覚えのない閉じられた部屋で

ようやく、イツキも、本格的にヤバいと気付く。



スマホも何も、もう何も手元には残されていない。
部屋に水と食べ物を運んで来た男にイツキは、自分は黒川の「女」だと力説する。
この界隈の、まともな悪い人種には、その話しは通用するのだが


生憎この男は、日本語が通じなかった。








黒川は泊まりの仕事から戻り、イツキの留守に気が付いたのだが
まあ、放って置かれた事に拗ねているのかと…、2、3日、そのままにしてしまう。

数日経ち、さすがに連絡もなく、こちらからの連絡にも返事もなく、
石鹸屋も無断で休んいるのだと聞き、……これは駄目なやつなのでは無いかと思う。

一ノ宮にも探させ、イツキのスマホの位置情報なども調べ
ようやく、二条虎松に辿り着いたのは


イツキが姿を消してから、一週間は過ぎた頃だった。






posted by 白黒ぼたん at 00:22 | TrackBack(0) | 日記