2015年06月03日

カウントダウン






火曜日の昼休み、食堂では梶原と大野が顔を突き合わせていた。
イツキは、今日も欠席らしい。
相変わらず不安定なイツキとは、おそらく、三学年ではクラスが別になる。
いよいよ勉強に本腰を入れなければいけない梶原は、解ってはいるものの、寂しさを隠しきれなかった。


「……あいつ、大丈夫かな。新しいクラスで、やっていけるかな…」


梶原がそう言うと、大野は紙パックのコーヒーのストローを咥えたまま、押し黙る。
過保護で世話焼きな梶原に、多少、呆れているといったところだろう。


「…大丈夫だろ。…それに俺たち、もう、そんな事に構ってられないと思うぜ」
「大野、お前、意外とサバサバしてんのな。…イツキの事、気になんないのかよ」
「…なるけど。…気にしたって仕方ないだろ…」


そう言って、今度は二人とも押し黙る。





お互い、イツキに、友達以上の感情を抱いていることは確かなのだけど、同時にそれが何の意味も持たないことも知っている。


それでも


大遅刻のイツキが食堂に現れ、梶原と大野に向かって手を振る姿を見ると、無性に切なく胸が苦しくなるのだった。





posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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