2015年06月06日

面談・2







扉の前でもう一度頭を下げ、それから梶原は取っ手に手をやり、少し…、留まる。



「……あの…」
「何ですか?」



気掛かりな案件があるのか、梶原は口籠りながら、また加瀬の方に向き直る。
加瀬は、銀縁の眼鏡のフレームに手をやり、梶原を見据える。



「実は、少し、心配な事があって…。今、同じクラスの…岡部一樹なんですけど。
…その、色々、…悩みとかあるみたいで…、俺、面倒…て言うか、その、友達として…色々、サポートしてたって言うか……、その…」



イツキの事をどう説明すれば良いのか、梶原は言葉を探しながら必死で話す。



「それで…、えっと…。多分、次は、クラスが別になりますよね…。あいつが新しいクラスでちゃんとやっていけるか、俺、心配で……」

「君が心配する問題ではありませんよ」





梶原にすれば、加瀬は勿論、信頼のおける教師の1人で
色々問題のあるイツキを、どうか助けてやって欲しいと、そんな気持ちだったのだ。

それなのに、あまりにも加瀬が冷たい口調で、そう言い切るものだから、逆に驚いてしまった。





「…岡部一樹、…ね」


加瀬はその名前を呟く。
少し間があき、鼻で笑ったような気がするのは、梶原の気のせいなのだろうか。


posted by 白黒ぼたん at 00:09 | TrackBack(0) | 日記
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