2015年06月09日

面談・最終話







梶原が面談を終え教室に戻ると、そこにはまだイツキがいて、机に向かっていた。
すでに日課は終わっていたのだが、欠席していた間のノートを、梶原に借りていたのだった。

それも丁度写し終ったらしく、顔を上げると、梶原と目が合う。
イツキはニコリと笑い、ノートをぱたりと閉じると、ありがとうと言ってそれを梶原に差し出す。



「…ん?」



珍しく神妙な面持ちの梶原に、イツキは首を傾げる。
……特待生として色々、面談で厳しい事を言われたのだろうかと、イツキは少し心配する。


「……おこられた?」
「えっ、いや、別に何も…、大丈夫」
「それなら良かった。…俺、もう帰るけど…?」
「ああ…。…あー、俺もうちょっと…、…図書室寄るわ…」



梶原がにべもなくそう言うものだから、イツキも「そう」と言って、引き下がる。
カバンに荷物を仕舞い、じゃあね、と言ってそのまま教室を出てしまった。






よもや、イツキが

自分が梶原と親密になり過ぎたために、一ノ宮や黒川が何か…梶原に危害を加えるのではないかと心配し、
梶原と距離を取るために違うクラスになりたいと、加瀬に、身を挺してまで懇願したなどと…

知る由も無い梶原には、イツキの気持ちが、解らなくなっていた。





posted by 白黒ぼたん at 21:31 | TrackBack(0) | 日記
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/139641654
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
最近のコメント
林田と松田 by はるりん (10/19)
余計な揉め事 by ぼたん (10/18)
余計な揉め事 by はるりん (10/18)
甘い欲求 by ぼたん (10/17)
足りないイツキ by ぼたん (10/17)
甘い欲求 by はるりん (10/16)
足りないイツキ by はるりん (10/15)
誘惑・5 by ぼたん (10/13)
誘惑・5 by A (10/12)
誘惑・5 by はるりん (10/12)