起きていた時には朝だったのに
気が付いたら夜になっていた。
その合間にはあいつが来ていて
オレを好き勝手に弄んでいた。
ベッドから起き上がるために、腕に絡まったロープを解いた。
逃げ出す訳はないのに、よく、こんなコトをされる。
どこかに繋ぎ止めていないのに、両手の自由を奪われただけで
簡単に、感じてしまうオレもオレなんだけど…
「…あの…バカ。…固結びじゃんか…」
なかなか解けない結び目に苦戦している時に
あいつが寝室に戻ってきた。
自分だけシャワーを使って、何食わぬ顔でオレを見ると、馬鹿にしたように鼻で笑った。
「何してるんだ?」
「…見ればわかるだろ。…これ、取ってよ」
「どうせまたすぐ結わうんだ。このままでもいいだろう?」
「腕、痛いんだよ。取ってよ」
両腕を差し出して睨むオレに、あいつは近寄って
乱暴にその腕をベッドに押し付けた。
オレの体は半身ひねる様に、ベッドにうつぶせになる。
そして、その無防備な背中に、あいつは、唇を這わせてきた。
「……やっ…」
一瞬で痺れが走る。
すっかり冷めていたはずの身体が、ザワザワと音を立てた。
2008年05月23日
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