2015年07月22日

佐野の役目・2







昨夜、車の中で佐野に抱き付いてきたイツキは、子供のように泣きじゃくり
佐野が車を運転するために、少し身体を離すことさえ激しく嫌がった。
マンションの前なのだし、そのまま部屋に行っても良かったのだけど…
なんとなく…「生活」から離れた方が良い気がして…ホテルへ向かう。

受付を済ませ、部屋に入るまでは大変だったけれど、入ってしまえば、音が外に漏れる心配もない。
佐野は、とりあえずイツキを抱き締めて、落ち着かせようと、頭をぽんぽんと叩いてやったりした。




『…どうしよう。……佐野っち、……どうしよう……』
『大丈夫だから。な、イツキ…』




何が『どうしよう』で、何が『大丈夫』なのかは解らないが、とにかくそう言ってイツキをなだめる。
ベッドの縁に並んで座り、佐野はおろおろするばかりだったのだが…




どちらともなく、倒れ込み、ベッドに寝転ぶ。

本当は、こんな時に、不謹慎なのではないかとも…思うのだけど…




手を伸ばしてきたのはイツキの方で


再び佐野の身体に身体を摺り寄せると、うわ言のように『…して、…して』と、ねだるのだった。



posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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