2015年07月23日

佐野の役目・3







やはりマンションの部屋ではなく、ホテルに来て正解だったと思う。
イツキは必要無いのではないかと思うくらい、大きな声をたて、自分自身を煽っているようだった。



『…佐野っち、もっと、もっと…。俺、……壊して…』



そう言って、佐野にしがみつき、自分から腰を振る。
佐野が少しでも手を緩めようものなら、佐野の頭に手をやり、髪の毛をくしゃりと掴み、『…それだけ?』などと挑発する。




そうかと思えば…



佐野が調子よく自分の快楽にかまけていると、いつの間にかシクシクと泣きだす。




『……どうしよう…』
『…え?……は?………イツキ、何?……もう、イきそうか?』
『……どうしよう。……俺、もう……いらない子になっちゃう。俺が…こんな事してる、理由……もう、ない……』



そしてまた、自分を追い込むように身体をくねらせ、わざとあえて、大きなヨガリ声をあげる。


どうしても頭をよぎる、嫌な考えを、流してしまうように。





posted by 白黒ぼたん at 21:26 | TrackBack(0) | 日記
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