2015年08月03日

嫌な、マサヤ・4







唇の温度を確かめるように、何度も何度も、近付けては離す。
次が始まらないのかと、イツキが心配になるほど、黒川にしては珍しく時間を掛ける。



「……今が、……嫌か?…」
「……いや、じゃ…ないけど…、……でも…」
「無い物ねだりだな。我儘な奴だ…」
「……だって…」



黒川はイツキの唇を舐めながら、そう言う。
あまり正面から見つめられ過ぎて、イツキは思わず、視線を逸らせる。



「嫌なら、俺から離れるなり何なり…好きにしろ。お前の勝手だ」
「…すぐ、そうやって……放す……」
「……うん?」



「話す」のか「放す」のか解らなくて、黒川はイツキの顔を覗きこむ。
顎を掴み、顔を正面に戻そうとするが、イツキにしては頑なに拒む。





どうしたら良いのか、解らないのだ。
傍にいてもいい、離れてもいい。

どちらにしても、自分で、その理由を見付けるのが難しい。





posted by 白黒ぼたん at 23:22 | TrackBack(0) | 日記
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