2015年08月19日

雅也とイツキくん・2







「…マサヤ、よく解らないんだよね…。すごい、優しい時もあるけど、急になんか、素っ気なくなるしさ。結局、俺、いいように扱われてるだけなのかなって……」


餃子と野菜炒めを食べて腹が落ち着いたのか、イツキくんはそんな愚痴を零し始める。
ラーメンを啜りながら、少し箸を止め、不満げに唇を尖らせる。


「……最近は、そんなに、マサヤが嫌じゃないけど。……まだ、よく、解らない……」
「イツキくん、唇に、ネギが付いていますよ?」
「…うん。……マサヤは、俺を、どうしたいんだろうね」


蓮華でスープを飲み、水を飲み、煮玉子を食べ、黄身がむせたのか軽く咳き込む。
どこか動きがちぐはぐなのは、おそらく、疲れと眠気のせいなのだろう。

社長と濃密過ぎる時間を過ごし、気持ちがなびいた所で、また距離を取らされる。
相変わらず間怠っこしい事をしていると、半ば呆れる。






社長は素直な男ではない。
無条件な愛情を注げるほど、愛に満ちた男ではない。
イツキくんが不幸な目に遭った時は、優しい人間を演じられる絶好の好機だろう。
それでも、すぐに、その関係に躊躇する。
無理矢理にでも付き放し、間を空け、自分を保とうとする。


それでも、想っているのだ。
その証拠に、空腹のイツキくんに食事をさせ、安全に家まで帰すために、わざわざ、自分の所に寄る様にとしたのだろう。





posted by 白黒ぼたん at 21:43 | TrackBack(0) | 日記
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