2015年09月01日

新学期の朝・7







駅までの道を早足で歩くイツキは、どこか、怒っている様子で、
梶原はなかなか、他の話を切り出す事が出来ない。
それでも必死でイツキの隣に並び、イツキの顔を覗き、言葉を探すのだけど

そうしている間に、イツキの目から涙が零れ落ちて、梶原は何も言えなくなってしまった。





イツキは道の真ん中で立ち止まり、ぽろぽろと落ちる涙を、手の甲で拭う。



梶原や清水と、同じクラスになりたくないと、あれだけ画策したというのに
何もかもがふいになってしまった。
何故なのかは解らないけど、結局は、自分が一番望まない形になってしまう。

そうなると、残るのは、ただただ、自分の浅はかで軽率な行動ばかり。




「………イツキ?、…大丈夫か…?」
「…なんで、…上手く行かないんだろう、……俺って…」
「…そんなに、嫌だった?…クラス。……清水先輩と…、俺も…、いて…」
「違う。………俺が、……馬鹿なだけ……」



そう言って、
イツキはまた手の甲で、目を、ガシガシと拭う。
そして、大きなため息を一つついて、
また、歩き出すのだった。





posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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