2015年09月10日

熱病







塾の講義を受けていた大野が、頬杖を付き、ぼんやりと明後日の方を眺めていたのは、
ラーメンと餃子を食べ過ぎて眠たくなり、勉強に身が入らなくなってしまった…という訳ではなく

うっかり、イツキの事を、考え始めてしまったからだった。




一時は本気で、イツキに、恋をしていたと思う。
謎めいた笑顔。傍に寄ると何か、頭がクラクラとする匂いがする。
同じ男のくせに、その身体はまるで別の性のもののようで、触れて抱き締めて、確かめてみたくなった。


熱病のような想いはやがて冷め、自分にも彼女が出来き、冷静に考えれば…イツキは、変で、

なるべくなら距離を置いて、あまり…巻き込まれないようになどと…考えていたのだけど、

朝な夕なにそんな事を考えている時点で、すでに、毒されているのだと思う。





厳重に鍵を掛けたスマートフォンの中には、相馬に貰った、イツキの写真が残っていた。


B級のアダルトビデオより下品で猥雑なイツキの姿に、


大野の熱は、簡単に、ぶり返すのだった。


posted by 白黒ぼたん at 21:06 | TrackBack(0) | 日記
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