2008年06月25日

そんなこと解ってる

台所での情事が終わって、やっと部屋の中ほどまで進み
布団の上で、次を始めるまでの間
抱き締めあって、キスなどを交わす。
裸のまま、佐野はイツキを胸に抱いて、片手で煙草を吹かしていた。

「…こうしてんのも…久しぶりだよな…」
「うん。……佐野っち…、彼女、出来たんでしょ?」
「はー?そんなのいねぇよ。彼女じゃねぇし」

佐野は少し慌てた風に、紫煙を2、3回、短めに吐き出した。

「お前だって最近は社長とイイ感じだったじゃねぇか。
…ま、それに越したことは無いんだけどな…」
「…気紛れなだけだよ。あいつ、勝手だから…」
「でも、仕事は無いんだろ?良かったじゃんか」
「そう、だけど…」


確かに、以前のように不特定多数の男とセックスをする「仕事」は減ったし
その分を埋めるように、マサヤはイツキを独占して、その身体を自由に扱っていたけど
けれど、それが、イツキの幸せに直結するとは限らなくて

では、どうすれば幸福を感じるのかは、解らなくて。


自分が、どうしたいのかなどと考えることすら久しくしていなかったイツキは
目の前にいる男とヤルことで、とりあえずの自分を保っていた。
「なあ、イツキ。…お前さ、これから…どうするのさ?」
そんな当たり前の問いに返事をすることも出来なくて
とりあえず目を閉じて、眠気の波に身を任せることにした。
posted by 白黒ぼたん at 00:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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