2015年09月22日

教室にて








それは突然に、昼休みの、皆が賑わう教室の片隅で起こった。


イツキは、傍に、清水がいるな…という認識はあったけれど、それ以外は別に何も。
視線を合わせる事も無かったし、普通に席を立ち、教室の後ろのロッカーに荷物を取りに行っただけだった。



「……あっ…」



身体がよろけたのも、何かにぶつかったか、つまづいたのかと思った。



それでも顔を上げたその先に清水の顔があって、清水が、自分に、いわゆる壁ドンをしたのだと、気付いた。





「………え……」
「…なあ、イツキ……」



ざわつく教室の中での出来事は、意外に、誰にも気づかれない。
梶原でさえ、まだ、イツキが清水に迫られているとは、知らない。
だからこそ清水も、あえて、こんな機会を選んだのだろう。



「……逃げんなよ。……ちょっと話がしたいだけなんだぜ?……マジで」
「……俺は、……話し、……無いです…」
「別に、変な話じゃねぇよ。……本当に、普通の。……トモダチからって、奴?」
「………」





イツキがロッカーの教材を持って席に戻って来た時には、顔と、耳が解り易く赤くなっていた。
梶原は様子が変わったイツキに何事かと思い、……こちらを見て笑っている清水に気付き、ようやく、イツキと清水に何かあったのだと知った。




posted by 白黒ぼたん at 23:47 | TrackBack(0) | 日記
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