2015年10月05日

穏やかで普通な







週末、土曜日、昼下がり。
本当は行くつもりではなかった、2人のマンションに向かう。
黒川は仕事が忙しい、忙しいと言い、『お前と遊んでいる暇は無い』と言っていたのだけど、
ふいに、時間が空いたから部屋に戻っている、と連絡が入る。
それは裏返せば、部屋に来いという事なんだろうな…と、イツキは思い
仕方なく、慌てて身支度をして、電車に乗る。


こちらと、向こうの、二重の生活も、少しは慣れて来た。
30分程の移動も、そう、苦にはならない。
学校の自分と、黒川の自分と、気持ちが分けられて丁度良い。
今の自分は、良く立ち回れていると、思う。


これ位の、気持ちで落ち着いていられるのなら、黒川の傍にいるのも、悪くは無いと思う。





駅構内のデリカですぐに食べられそうなパック詰めの惣菜を買う。
香ばしい匂いがするパン屋で、焼きたてのバゲットを2本買う。
青カビのチーズは自分は苦手だけど、黒川が好きだったから、仕方なく買う。
替わりに自分には、フルーツが乗ったチーズタルトを買う。これは、好き。




部屋に入り、まずキッチンに入り、買い物の袋を開け、冷蔵庫に仕舞う。
シンクにビールの空き缶が転がっていて、黒川が飲んだのだと思う。
けれどリビングに姿はなく、ソファの背もたれにジャケットが脱ぎ捨ててあるのだけ、見える。



寝室を覗くと

ベッドの上で、黒川は

手足を投げ出し、大の字になって、眠っていた。




posted by 白黒ぼたん at 22:00 | TrackBack(0) | 日記
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