2015年10月06日

傍杖・1







『けんかのそばにいて打ち合う杖で打たれること。転じて、自分と関係のないことのために被害を受けること。とばっちり』


そんな言葉が頭をよぎる。
黒川の傍にいると、度々、そう思う。






特に気を抜いていた訳でも油断していた訳でもない。
夕暮れ時、ただ普通に、黒川の事務所を出て、駅まで歩いて向かう途中だった。

繁華街の中ほどはどこをどう見ても人が多く、明らかに危険な人物を見極めることなど難しい。
擦れ違い、肩がぶつかることもよくある事で、その都度安全な距離を取り、その場から走って逃げ去ることもしない。




ふいに身体が当たった男の、顔を、確認することも出来なかった。
同時に、腹部に激痛が走り、そのまま男にもたれかかる様に抱き付いてしまったからだ。
力が抜けた身体を引きずられ、道路わきに周到に用意された車に乗せられる。
あまりに瞬時のことで、おそらく周りの誰もが、何が起きたのか気付くこともなかった。



当然イツキはすぐに、顔を上げ、とにかく抵抗しようと身体を動かすのだけど
また、バチリと音がして、激痛が走る。
どうやらそれはスタンガンのようなもので、それを何度か当てられ、その合間に、目隠しをされ、手は、後ろで合せ拘束される。




レイプされる、という事は解ったけれど、それ以外のことは何も解らなかった。
何も確認できない内に目隠しをされた上、男たちは、最後まで何一つ、喋る事も無かった。





posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/165074665
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
最近のコメント
林田と松田 by はるりん (10/19)
余計な揉め事 by ぼたん (10/18)
余計な揉め事 by はるりん (10/18)
甘い欲求 by ぼたん (10/17)
足りないイツキ by ぼたん (10/17)
甘い欲求 by はるりん (10/16)
足りないイツキ by はるりん (10/15)
誘惑・5 by ぼたん (10/13)
誘惑・5 by A (10/12)
誘惑・5 by はるりん (10/12)