2015年10月09日

傍杖・4






ゴミを投げ捨てるように、イツキは車から降ろされる。
思わず、道端に座り込んでしまうのだが、夕暮れ時にぎわう都会の繁華街では、誰もそれに気を留めない。

顔を上げて辺りをみると、そこは、つい数十分前に自分が車に乗せられた場所で、
イツキは、自分の身に起きたことが、本当に現実だったのかさえ疑った。





「……かえる…」

夢遊病者のように呟いて、どうにか立ち上がるのだけど
脚の間を、男たちの精液が伝う。
……顔や、髪の毛にも、ベタベタとした精液が残り、おそらく今、自分は、とても酷い顔をしているのだと思う。
おまけに、歩き出そうとしても、足が前に出ない。
ガクガクと震え、少しでも気を抜けば、またその場に崩れ落ちてしまいそうだった。







それから小一時間ほど経った頃、黒川が、事務所に戻って来た。
午前中にイツキと別れ、出掛けていたのだけど、一ノ宮から連絡が入ったのだ。

暴行を受けたイツキは、やっとの事で来た道を引き返し、事務所に辿り着く。
中で一人仕事をしていた一ノ宮は、つい先刻ここを出たばかりのイツキが憐れな姿になって戻って来たことに、酷く驚いた。

事務所にはシャワーは無いのだけど、お湯を沸かし、顔と身体を綺麗に拭いてやる。
替えのワイシャツだけ羽織らせ、ソファに寝かせると
イツキは気を失ったように、眠りに落ちてしまった。




posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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