2015年10月14日

傍杖・7







部屋に戻り、熱い湯船に身体を浸し、イツキはようやく普通になって、リビングへと出て来る。
黒川はソファに座り、何かのグラスを傾けながら、電話をしている最中だった。
イツキはソファの、反対側の端に座り、黒川の様子を伺いながら…タオルで髪の毛を拭く。



別に、見ず知らずの男に乱暴に抱かれるのは慣れている。
多分、自分に落ち度は無いと思うのだけど、それでも迂闊だったと責められれば…謝るしかないのか。

あえて見ないようにはしていたのだけど、テーブルの上には、行為の途中に取られたポラロイド写真が投げてある。
犯されている子は目隠しをされてはいても、自分だと解るし、数枚ある写真のどれにも、上手に、相手の顔や辺りの風景などは、写り込んでいなかった。




「まあ、足が付くようなやり方はしないだろうよ」



いつの間にか電話を終えていた黒川が、新しい煙草を咥えながら、そう言う。
イツキは一度黒川を見て、もう一度写真に目を落として、それからふいに余所を向く。



「……俺の、……知ってる人?……わざわざこんな写真、……何で…」
「ただの嫌がらせだろう。…馬鹿が考えそうな事だ」


黒川は、イツキが受けた行為自体は大したことではないと言うように、軽くそう言って、笑う。
それでも、多少、気の毒には思っているのだろう。


手を伸ばし、ソファの端に座るイツキを、自分の傍に抱き寄せるのだった。





posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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