2015年12月01日

シャンプー・3






「どこに行っていた」
「…髪、切りに行ってたんだよ。すぐ、近くの美容室」
「…ふん」


美容室が入るビルを出て、すぐに黒川と落ち合う。
黒川は少し不機嫌な顔で、イツキは、何か悪い事をしてしまったのかと、怯える。

歩き出す黒川の後ろを、小走りで、付いていく。

向かった先は時間貸しの駐車場で、そこには、黒川の車が停まっていた。



「…マサヤ、起きたらいないから。……俺、向こうに帰ろうと思って。……ついでに、髪の毛、切りに行って…」
「この辺りをフラフラ歩くな。また捕まって、レイプされるぞ」
「……されないよ」
「されるだろう。お前の、得意なやつだ」



車に乗り込み、黒川はハンドルを握り、どこか馬鹿にしたようにイツキにそう言う。
イツキは黒川の言葉に気を悪くするも、ふと…、もしかして黒川は、街中を不用意に歩く自分を心配して、迎えに来てくれたのではないかと思う。



「…もしかしてマサヤ、少しは俺のこと、心配してくれてる?」
「…車で回るついでに、送ってやろうと思っただけだ。お前が誰かにヤられる心配などしていたら、身がもたん」



そんな憎たらしい事を言って、黒川はまた、笑う。
それでもイツキは、その言葉が、黒川のすべてでは無い事を、感じてしまう。





ふと、黒川は、イツキの頭に手をやって
「……いいな」と言って、髪の毛をくしゃりとするのだった。





posted by 白黒ぼたん at 20:54 | TrackBack(0) | 日記
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