2015年12月02日

寝ぼけイツキ







真夜中に黒川はベッドから起き、台所で水を一杯飲む。
リビングのソファに掛けてあった服を羽織り、とりあえず、煙草に火を付ける。

結局、イツキを送り、そのままこの部屋に上がり込んでしまった。
夜に予定していた仕事をすっぽかし、一ノ宮はさぞかし怒っているだろうと…苦笑する。


寝室の扉が開き、イツキが出て来る。
イツキは寝ぼけた様子でふわふわと歩き、トイレに向かい、少しして出てきて、また寝室へ向かう。

扉に手を掛け…、そのまま動きを止め、何か、考えている風で…、一度、寝室を覗き込んで、おもむろに振り返って、
ソファに、黒川が座っているのを見つけて、ひどく驚いた顔をした。


「……なんだ?」
「あ、……ううん。……そっか…、……うん」


イツキは一人、納得したような返事をして、照れくさそうに笑う。
どうやら本気で寝ぼけていたようで、黒川がここに来た事を、忘れていたようだ。



「馬鹿か、お前は。数時間前の事も覚えていないのか」
「……だって、マサヤ、ベッドにいなかったし…。…あんまり、ここにいるって…、感じ、ないし……」
「…だからと言って……」
「……さっきも、いいばっかりで……、……夢かと思った…」



そんな風に言って、イツキがまた微笑むものだから
あやうく黒川は、この夜も、イツキと離れる事が出来なくなる所だった。





posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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