2015年12月09日

「岡部一樹ホモ疑惑」







そう、黒板に書かれていた。
5月のある朝。教室に入った梶原はそれを見付けて、思わず絶句してしまう。
教室にはすでに生徒が半数ほど。
その内の誰かが書いたものだろうけど、みな、あえて何も言わず…
ただ顔を見合わせて笑いあったり、ひそひそ話をしたり、嫌な空気が流れる。

まだイツキが登校していない事が、何よりの救いだった。



「……誰だよ、これ、書いたの……」


バン、と黒板を叩き、梶原は教室内を見渡す。
ムキになっては、それを認めている証拠だと思ってみても、語気が強くなるのを抑えられない。


イツキの普段の立ち居振る舞いから、そう思われ、からかわれるのも仕方が無いとは思う。
先日の体育の授業でも、ただならぬ色香を垂れ流していた。

けれど、それを、こんな形で中傷して良いものではない。


「……最ッ低だな。……ガキかよッ……」



梶原はそう言い捨てて、教室の、誰とも解らない犯人を睨みつける。
そうして、黒板消しを持ち、その落書きを消そうと背を向けた時、

「…ムキになっちゃって。…余計、アヤシイっての」


と、声が聞こえた。



posted by 白黒ぼたん at 23:25 | TrackBack(0) | 日記
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