2015年12月11日

「岡部一樹ホモ疑惑」2








清水が教室に入った時には、梶原は教師のように黒板の前に立ち、教室にいる全員に向かって熱弁を奮っていた。
『こんな事はただのイジメに過ぎない』だの、『人の気持ちになって行動しろ』だの、解り易い正論をぶつける。
最初はクスクスと陰で笑っていた生徒たちも次第に黙り、重苦しい空気が流れる。



「……なに?……なにゴッコだよ…」


清水は半ば呆れながら、そう呟き、自分の机に向かうのだが、
きれいに消しきれずに黒板に残っていた言葉を読み、合点が行く。



「…こんな風に悪口を言うのは間違えてる。俺たち、もう、小学生のガキじゃないんだぜ?…だいたい…」

「まあ、仕方ないよなぁ…」


梶原の言葉を遮り、清水が口を挟む。
そして、自分も黒板の前に立ち、黒板消しを持つと、鼻で笑いながらその言葉を消す。


「あいつ、ホモ臭いもん。そう言われても仕方ないよなぁ」
「……清水…先輩…。……あんたがそんな事、言うんですか?」
「そう思われてるのは事実だろ。……ただ、やり方はセコイけどな」


文字を綺麗に消し、清水は黒板消しを元の場所に戻し、梶原にニヤリと笑う。
梶原と話をしている風でも、声はだんだんと大きくなり、それは明らかに教室の全員を威圧する言葉だった。

バン、と、黒板を叩き、今度は教室中を睨む。


「思う事、書くなら、何でも書けばいい。『清水、ヤクザの息子疑惑』でも書くか?
くだらねぇ事、してるんじゃねぇよ。

言いたい事があるなら、直接、言えばいいんだよ、なあ」



そう吐き捨てて、自分の席に戻って行った。






posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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