2015年12月22日

嫌な想像







『…本日未明、北区の住宅街にある工場で火災が発生、焼け跡からこの工場の責任者とみられる男性の遺体が発見されました…』


夕方、リビングでコンビニの弁当を食べながらぼんやりとテレビを眺めていると、そんなニュースが聞こえて来た。
最初はただ聞き流していただけだが、映し出された工場の様子を見て、箸を持つ手が止まる。


『…工場は夜間も稼働しており、異様なモーター音を聞いたとの情報もある事から、何らかの事故の可能性があるとみて警察が調べています……』



「………かわいそう…」


そう、ぽつりと呟く。
何の関係もないとはいえ、つい昨日、自分が会ったばかりの人が死んでしまったとなれば、多少は、気になる。

こんな偶然は、そう滅多にあるものではない。


ないのだ。





ニュースも終わり、賑やかなバラエティ番組が始まる。
けれどイツキは、まだ弁当も食べ終わらず、適当に箸をゆらゆらさせながら、何か、考え込んでいるようだった。



昨日、黒川に頼まれた事。
男の元に行き、金を受け取る。
酷く憔悴していた男。到底、稼働していたとは思えない、静かな工場。
そして、火事。



もしかして…と、イツキが嫌な想像をしていた時に、黒川から電話が入る。
これから、この部屋にやって来ると言う、連絡だった。





posted by 白黒ぼたん at 22:49 | TrackBack(0) | 日記
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