2016年01月15日

交通費込三千円







初めてのアルバイトは3時間のみ。
しかも最初の30分は丁寧な説明だったし、終わりの30分は邪魔者扱いで、ただ、立っているだけだった。
役立たずの高校生の初バイトにしては、そう悪くない金額なのかも知れない。


イツキは貰った千円札を三枚、テーブルに並べて、しばらく眺める。




黒川の『仕事』は、すでに黒川と客の間で交渉は済んでいるため、イツキが直接、代金を受け取る事はない。
それでも客はご機嫌伺いか、イツキに気に入られたいのか、イツキ個人にチップを渡すことも少なくない。
あまりに高額であれば黒川に報告するが、それらの金はイツキが持っていて良いことになっている。
金は無造作にリビングのテレビボードの引き出しに入っていて、今、合計でいくらあるのかなど、気にすることもなかった。



いつぞやは…
事が終わったばかりの穴に、一万円札を十枚ほど丸めたものを詰められた。
結構奥まで入れられ、引き抜くのに苦労した。
外側の一枚は濡れ、少し、汚れも付いていたので、タオルで拭き、
帰りのタクシー代で、使ってしまった。




テーブルの上の三千円を手に取る。
立ち上がり、それをいつもの引き出しにしまおうとして、…止める。
封筒に戻し、何を思うのか少し胸に当て、どこか他の別の場所に納めるのだった。




posted by 白黒ぼたん at 21:29 | TrackBack(0) | 日記
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