2016年02月10日

ちょっとした話・3







事の次第はこうだった。

すぐ近くにあるホールで、あるアイドルグループのコンサートが行われていた。
沼原たちはそれに行くつもりだったのだが、手元には人数分より多いチケットがあった。
より良い席を確保しようとオークションで落札したものが、ダブってしまったのだ。

そこで、そのチケットを別の人に譲ろうと…あれこれ画策し…
ようやく見つけた取引相手とこの場所で落ち合う約束をしたのだけど

現れたのは、風体のよろしくない男達だった。



「困るんだよねぇ。俺らのシマで勝手にこんな事されちゃぁ…」
「ごめんなさい。あたし達…駄目な事って…、知らなかったんです…。ごめんなさい…」
「謝って済む問題じゃないよ。それなりの場所代、貰わないとねぇ」



泣きながら謝り続ける沼原と、因縁を付ける男達。
要は、自分の縄張りで勝手に商売をしようとした沼原達から、金を巻き上げようとしているのだった。

恐る恐る金額を尋ねる沼原に、男は指を三本立ててみせる。
たとえそれが三万円でも、普通の高校生の彼女には大きい額だったが、実際は桁が一つ違った。



「……そんなの…、無理です…。あ、あたしたち……」
「まあ、ここで立ち話もなんだからさ。ちょっと来な。…な?」



そう言って男達は、沼原達を取り囲み、どこかへと誘導する。
すでに怯えきり、恐怖で足が竦む女の子たちには、逃げ出すなどという選択肢は無かった。
イツキも、沼原に上着の袖口を掴まれたまま、そのまま一緒に歩き出すのだった。




posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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