2016年02月15日

バレンタイン小話


(番外編の途中ですが、さらに番外編……苦笑)






いやに街中がピンクでハートで何となく落ち着かないと思ったら
今日は、バレンタインデーだった。
好きな人がいる訳でもないし、お付き合いしている人がいる訳でもないし、
そんなイベントには、まるで、興味は無かった。


「どうぞ。チョコです」


立ち寄ったコンビニで、会計の後に引いたクジの当たりで、チョコを貰ってしまった。
ピーナッツの入ったハート型のチョコ。
部屋に戻って、ビニール袋から牛乳とプリンを出して、冷蔵庫にしまって

チョコは、そのまま、ビニール袋の中に入れて、そこら辺に置いていた。





そんな物に限って、マサヤは目ざとく、見つけるのだけど。




「………なんだよ、安っぽいチョコだな…」


真夜中。
酒と煙草の匂いが染みついたコートを脱ぎながら、マサヤはそれを手に取る。
しばらく眺めながら、馬鹿にしたように、ふふ、と笑う。


「……違うよっ。……それは…、コンビニで貰っただけだよ」
「そうなのか?……てっきり、お前からのチョコかと思ったぜ?」

そう言って、酔っ払いのマサヤは俺を巻き込みながら、ソファに座る。
そのままキスをするけれど、その口元からはなんとなく、甘い、チョコの匂いがする。

「……マサヤ。……どっかで、チョコ、食べて来た?……甘い味がする…」
「ふふ。…まあ、こんな夜だからな…」



少し、飲み過ぎた様子で、マサヤはどうにも覚束ない。
上機嫌に笑ったかと思うと、目を閉じて、そのまま寝入ってしまいそうになって、また目を開けて、


俺の、チョコを、まだ手に持って、ひらひらとさせて眺めて



「……お前からの…チョコかと…思ったぜ」



と、もう一度、同じ事を言って
なんだか嬉しそうに、ふふと、笑っていた。







posted by 白黒ぼたん at 01:10 | TrackBack(0) | 日記
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