2016年02月16日

ちょっとした話・7







「……誰だ?」


自分の仕事を片付けようとデスクに向った白スーツの男は、傍にいた若い男に尋ねる。

「…え、女子高校生ですか?」
「いや、男の方」
「…さあ…、女の子の知り合いだかカレシだか…。途中で一緒になったらしいんですけど、なんだか様子が変なんですよね…」


イツキは、男たちが自分を見ている事に気付き、慌てて視線を逸らせる。
そのまま自分の手元のケータイを覗き、一ノ宮に電話をしてからどのくらい経ったのだろうかと考える。



「……イツキくん…」
「…ん?」


隣で、今にも消え入りそうな声で、沼原が呼ぶ。
正面では相変わらず男が、睨みをきかせ、さらに強面が増えたとなれば、彼女の緊張もピークなのだろう。


「………あ、あたしたち…、この人たちの言うこと、聞くから。……大丈夫だから…。
イツキくんに……、これ以上迷惑……、かけらんないよ……」


それでも、気丈にもそんな事を言う。


「…この人たちの言うこと聞いてたら、…大変だよ? ……ヤラレちゃうよ?」
「……え…?」
「バイトだなんて、変なのに決まってるでしょ?…こんな人たち、アテになんないんだから…」




小声で話しているとはいえ、イツキはちょいちょい、男の癇に障ることを言う。
そうして男が業を煮やし、再び激高して、テーブルを派手に蹴飛ばしたところで、


事務所の扉が、ノックされた。



posted by 白黒ぼたん at 00:20 | TrackBack(0) | 日記
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