2016年02月17日

ちょっとした話・8






ノックと同時に扉が開く。
現れたのは、不敵な笑みを浮かべる、……黒川だった。

「……どうも」
「…誰だ、テメェ…」
「…ウチのが、世話になっているそうで…」

黒川はどこか小馬鹿にした様子で、そう言ってイツキを見遣る。


そして、招かれてもいないのに室内に入り、イツキ達が座るソファの傍まで来る。
室内をぐるりと見回し、ふんと鼻を鳴らし、男を見下し、
そこいらにあったパイプ椅子を引くと、満員のソファの隣に、勝手に座る。

奥にいた白スーツの男は、残念ながら、黒川の正体を知るほどの大物では無かった。
それでも黒川の只ならぬ雰囲気と威圧感に、何事かと、成り行きを見守る。




「………だれ?」


小さな声で、沼原が聞く。


「……俺が、呼んだ人。……もう、大丈夫だから」


そうは言っても、そう簡単に、事は解決しそうには無かった。


明らかに黒川は、この状況を、楽しんでいる様子なのだ。







「…それで? 何か問題でも?」

口火を切って黒川が尋ねると、正面の男は我に返ったように顔を上げ、足を組み直し、ソファの背もたれに肘を乗せ、虚勢を張る。

「も…問題も何も、このガキ共がウチの商売の邪魔をしたんだよ!」
「ほう、それは申し訳ない。で、どうすれば良いのかな?」
「迷惑料、払って貰おうか!……100万だ!」




posted by 白黒ぼたん at 00:03 | TrackBack(0) | 日記
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