2016年04月06日

黄昏清水







委員の仕事を終えて梶原が教室に戻ると、そこには清水が一人、黄昏ていた。
普段なら終業のベルを待たずに教室を出てしまう男なのに、何事かと、梶原は思わず見遣る。



「……なあ、梶原」
「はい?……何ですか?」
「あいつってさ、結局、どうなの? 今」



清水は煙草でも吹かしているような溜息をついて、梶原に話し掛ける。
勿論それはイツキの事だと、梶原にも解る。
梶原はカバンに教科書やらを詰め、帰り支度をしながら、清水を伺う。



「……どうって、……何がですか?……別に、何もないですよ?」
「黒川さんと、上手くいってんの?……あいつ、まだ、客、取らされてるんだろ?」
「………知りませんよ、そんなのっ」
「他の男ともヤッて、黒川さんにいいように使われて、何なの?、あいつ…」





清水は西崎から事あるごとに、イツキの動向を聞かされていた。
それは半分は、清水に再び変な気を起させないための牽制と、半分は、ただの下品な噂話だった。
それでもそれを聞く限り、イツキは黒川に命じられるまま、可哀想な仕事を続けていると思われたのだが、


実際のイツキは、妙に、幸せそうで、……清水には納得が行かなかった。




「……なあ」
「……何ですか?」
「…飲みに行かねぇ?」
「行きませんよっ」




そんな事を言って、清水はまた、溜息を付くのだった。




posted by 白黒ぼたん at 23:28 | TrackBack(0) | 日記
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/174791642
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
最近のコメント
フェスタ・26 by はるりん (12/14)
フェスタ・25 by ぼたん (12/13)
フェスタ・25 by はるりん (12/13)
フェスタ・24 by ぼたん (12/12)
フェスタ・23 by ぼたん (12/12)
フェスタ・24 by はるりん (12/12)
フェスタ・23 by はるりん (12/11)
フェスタ・21 by ぼたん (12/09)
フェスタ・21 by はるりん (12/07)
フェスタ・19 by ぼたん (12/05)