2016年04月07日

奇妙な友情・1






「…ナニ?…お前、ここで一人暮らしなの?…訳アリなの?何なの?」




清水は梶原の部屋に上がり込み、物珍しそうに辺りをキョロキョロと見渡す。
駅からそこそこ離れた築30年の団地の一角。エレベーターもない上階の一部屋。
一人暮らしと聞いて想像した、お洒落なワンルームとはかけ離れ、そこは小ざっぱりと片付けられた、どことなく、懐かしい匂いのする生活感のある部屋だった。



「別に。…親が仕事で遠くに行っちゃっただけです。その辺、座ってて下さい。今、お茶、入れます。


梶原は、頭の片隅で、どうしてこんな事になってしまったんだろうかと思いながら、台所に立つ。
電気ケトルに水を入れると、後ろから清水が、「茶はいいよ、氷と水、チョーダイ」と声を掛ける。
振り返ると清水は…、帰り道のコンビニで調達したのだろうか…、テーブルの上にウイスキーのボトルをドンと置いた。





放課後の教室で、飲みに行こうと誘われた。
けれど、どんなに理不尽な事があって愚痴を零したいからと言って、普通の高校生は、飲みには行かない。
梶原はきっぱりと断るのだけど、清水はなかなか諦めず、食い下がる。
…たまに人恋しく、誰かとお喋りしたい気分になるのは、梶原にもなんとなく解るので…、そう冷たくはあしらえないのだけど。

冗談半分で「俺の家でなら、いいですよ」と言うと、すぐに清水は食いついてくるのだった。




posted by 白黒ぼたん at 23:45 | TrackBack(0) | 日記
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