2016年04月08日

奇妙な友情・2







「…イツキは、馬鹿だ。あいつ、絶対、騙されてる。そう思うだろう?梶原」
「そうっすね。イツキはもっと、自分自身、ちゃんとしないと駄目っす」
「いいんだけどさ、いいんだけどさ、あいつがそれでいいって言うなら、それでも、別に…」


清水は水割りの入ったグラスを持ち、そう、愚痴を零す。
梶原はもちろん、酒を飲むつもりは無かったのだけど、飲んでいた炭酸にはいつの間にか、ウイスキーが注がれていた。

自分の部屋だからという事もあり、気も緩む。
しかも、清水との会話は、意外と楽しい。




「……俺、イツキの「黒川さん」に会ったこと、あります。…怖そうだけど、優しそうでしたよ?」
「黒川さんは…、怖いって言うか…、ヤバい人だよ。ヤバい。絶対、ヤバい…」


清水は同じ言葉を三度も呟く。
梶原にすれば怖い人の部類に入る清水が、そこまで言う「黒川さん」は、本当にヤバいのだろう。
何がどう、かは、よく解らないのだけど。


「でも、イツキは、その黒川さんと…一緒なんでしょ? ……イツキ、その人のこと、好き…なんでしょ?」
「どうなんだろうなぁ…。まだ、客、取らされてるって言うし…。なんでそんな奴の事、好きでいられるんだろうなぁ……」



コンビニで買った鶏の唐揚げを手で摘まみ、清水はため息交じりにそう言う。
梶原は、その、イツキが客を取らされているという部分が、実はまだよく解っていなくて…

解った風な顔をして、手元のグラスに口を付け、もっと詳しく話を聞いて良い物か、迷う。



posted by 白黒ぼたん at 22:07 | TrackBack(0) | 日記
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