2016年04月09日

奇妙な友情・3






「…清水さんは、なんでイツキの事、イロイロ、知ってるんですか?…黒川さんとも、どんな関係なんですか?」
「んー。……親父が黒川さんの下で働いてるっつーか…、まあ、そんなカンジ」
「へえ…。お父さん、何やってるんですか?…店、とか?」



まあまあ酒の回っている梶原は、つい、親しげに突っ込んだ話をする。
清水も酔っているのか、普通に、話を続ける。



「店も、ヒトも…、アレコレ。…何、やってるんだろうなぁ…、親父も、まともな人間じゃねぇからな…」
「はは。学校のみんなは、清水さんのトコ、ヤクザだなんて言ってますよ」
「ああ、そうだよ」



梶原の冗談を、あっさり清水が認めるものだから、梶原は言葉を無くす。
…以前、訪れた、黒川の事務所の様子から…、世間一般の会社や事業所とは雰囲気が違うとは思っていたのだけど
はっきりと肯定されると、やはり、驚く。


清水は身元を明かしたことを、さして気にもしていない風で、話しの合間に梶原の部屋をぐるりと見回す。
手の届く場所にある本棚には教科書や参考書がびっしりと並び、本当に、よく勉強しているのだなと、解る。

積み重なったノートの一番上に、「イツキ」と書いてあり、何気に手に取る。


「…これは?」
「え?……ああ。あいつ用のノートです。授業の内容とか、テスト対策とか、解り易く…」
「…へぇ…」


伝えられない想いでも熱く綴ったノートなら、格好の酒のツマミになると思ったのだが
中に書かれていたのは色気も何も無い、文字や数字ばかりだった。




posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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