2016年04月12日

奇妙な友情・4






「…お前、マメだな。…ずっと勉強、見てやってんのか…」
「ええ。…あいつ、学校休んだりすることも多いし…。やっとなんとか…、追い付いて来た所だから…」
「ふん。……お勉強ねぇ…」


清水はどこか馬鹿にしたような、含んだ笑みを浮かべ、水割りを飲む。
自分のグラスが空になると、まず、梶原のグラスに酒を足してから、自分のグラスにも注ぐ。

清水も、梶原も、そう酒には強く無い。
それでも、こんな機会なのだし……、酒の勢いを借りてでも、溜まった思いを吐き出してしまおうとしていた。


「……あいつが、勉強して、何になる?……どうせ、黒川さんの、オモチャだろ…」
「イツキ、勉強、頑張り出したのって…、去年の夏ぐらいですよ?」
「……ん?」
「……清水さんと、……色々あった後ぐらい…、でしょ?……その頃…」


梶原もグラスに口をつけ、飲みなれない酒に苦い顔を見せながら、強がるようにもう一口、酒をすする。




「…イツキ、あの頃、すげー落ち込んでましたよ。辛そうで…、ずっと、ケータイ、見てたりして…。
で、振り切るみたいに、勉強するって言い出して…。…もっと、ちゃんとするって…、なんか、そんな事、言い出して……。


あいつ、多分…。清水さんの事、……好きだったんじゃないかなって……思います」



普段、勉強一辺倒の梶原が、こんな色恋めいた話をするのが意外で、清水は少し驚く。
梶原も、自分が、こんな話をしていることに、自分で驚いていた。

最近では、清水がそう嫌な男ではなく、イツキを真剣に想っていることが解る。

だからこそそんな清水に、イツキの気持ちを…、…少なくともあの当時は清水の事を、ちゃんと好きだったと…、伝えてやりたいと思ったのだった。


posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/174874731
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
最近のコメント
余計な揉め事 by ぼたん (10/18)
余計な揉め事 by はるりん (10/18)
甘い欲求 by ぼたん (10/17)
足りないイツキ by ぼたん (10/17)
甘い欲求 by はるりん (10/16)
足りないイツキ by はるりん (10/15)
誘惑・5 by ぼたん (10/13)
誘惑・5 by A (10/12)
誘惑・5 by はるりん (10/12)
誘惑・3 by ぼたん (10/11)