2016年04月22日

粗雑






「…事務所に、見たことない人、いたよ。…リー…さん?」
「ああ、今、一ノ宮と作業を詰めてもらっている」


イツキは黒川の車に乗せられ、どこかへ向かっていた。
誰と会うのか、食事をするのか、それ以外の事をするのか、まだ解らず
何から尋ねようかと、とりあえず、事務所にいた男のことを尋ねる。


「……チャイナの人?」
「ああ。まあ、ほとんどこっちで仕事をしているがな。今度、開く、横浜の事務所に居てもらう…」
「マサヤ、最近、横浜の仕事が多いよね。…何、してるの?」
「イロイロだ。……着いたぞ」


大した話も出来ない内に、車は目的地に到着する。
都内の大きなホテルの駐車場のようで、車から降りるとロビーへ向かう。


「……仕事?」
「違う」


そう言われても、まるで安心は出来ない。

結局は上階にある高級割烹で、見知らぬ老人と食事をしただけなのだけど
次の機会には部屋を用意するからと、談笑交じりに話をしていたのを、聞き洩らさなかった。




帰りも、行きと同じように、黒川の車の助手席に乗る。
特に何も無い一日だったが、なんとなく、疲れ切ってしまった。
黒川に、そんな話をしようかと思ったのだけど
どうせまた馬鹿にしたように笑って『なんだ、ヤりたかったのか?』と、言われるだけだと思った。



一ノ宮は自分の事を、『黒川の大切な人』だと言ってくれたけれど

その割には、扱いが雑だな…と、イツキは思っていた。




posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/175006697
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
最近のコメント
フェスタ・21 by ぼたん (12/09)
フェスタ・21 by はるりん (12/07)
フェスタ・19 by ぼたん (12/05)
フェスタ・19 by はるりん (12/04)
フェスタ・18 by ぼたん (12/03)
フェスタ・17 by ぼたん (12/03)
フェスタ・18 by はるりん (12/03)
フェスタ・17 by はるりん (12/01)
フェスタ・14 by ぼたん (11/27)
フェスタ・14 by はるりん (11/27)