2016年05月15日

頑張れイツキ







ホテルで吉村と一晩過ごし、翌朝。
イツキは自分の部屋へと帰る前に、事務所に寄る。
けれど、事務所には鍵が掛かり、一ノ宮の姿も見当たらない。
もっともこんなに明るい陽の下で、賑やかに活動する輩でも無いだろう。


黒川は、息が詰まるほど干渉して来たかと思えば
存在を忘れられたのではないかと心配になる程、手を離す。
気まぐれな態度は今に始まった事ではない。
その、ひとつひとつを気にしていては、身が持たない事は重々解っている。

解ってはいるが、少し、寂しい。
多分、そう思わせるための作戦なのではないかとすら、思う。




「……マサヤの、馬鹿…」



イツキは小さく悪態を付いて、事務所の扉に背を向け、階段を駆け下りた。




帰り道の途中で、あれこれ買い物をする。
夏物のシャツと上着と、ソファの足元に敷くラグと、グラム数千円もする高い牛肉を買い
荷物が両手一杯になってしまい、タクシーを止めるのにも一苦労だった。


部屋に戻ると、溜まった洗濯物を片付け、少し遅れがちな勉強を、どうにかしようと思ったのだけど、
とりあえずソファに横になると、そのまま、夕方まで眠ってしまうのだった。





posted by 白黒ぼたん at 18:43 | TrackBack(0) | 日記
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