2016年05月19日

言い分







真夜中。
黒川はイツキのマンションへ向かう。


鍵を開けて中に入ると、部屋は煌々と明かりが付いたまま。
リビングのテーブルには、教科書やノートが出してあり、脇にはビールの空き缶が転がっていた。
寝室を覗くと、イツキが、制服姿のまま、ベッドに横になっていた。

学校から帰り、とりあえずと勉強を始めたものの、睡魔に襲われ…、そのまま、寝落ちてしまったらしい。



「……馬鹿な奴」



と、黒川は鼻で笑い、寝室の電気を消した。





一ノ宮が心配しているように、イツキを雑に扱っているつもりは、…そんなには無い。
単純に仕事が忙しいのだし、イツキと一緒にいる時間は、まあ、優しくしてやっていると思う。

自分の仕事に、イツキを付き合せるのは、極力避けようとも思っている。
横浜の仕事は、…あまり綺麗な仕事ではない。リーがイツキを快く思っていない事も知っている。
イツキが知れば、嫌な事もあるだろう。わざわざそれを知らせる必要もない。



距離を取るのは、実はイツキを守るためなのだけど、それを説明するのは、黒川の性に合わなかった。





posted by 白黒ぼたん at 23:15 | TrackBack(0) | 日記
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