2016年06月12日

ミナヅキイツキ・6






梶原と夕食を食べながら課題をする案も良かったのだけど
単純に、もう、部屋着に着替えてしまっていたし、出掛ける気にもならなかったし。

それでも少し時間が経ち、小腹が空いて来ると
やっぱり一緒に食事に行けば良かっただろうかと…迷いだす。
一人きりの時間で何が億劫かと言えば、食事で。
食べない訳にもいかないが、一人で食べるのも、面倒過ぎる。



「………ご飯。………冷凍ご飯、一個、残ってたかなぁ…。
あ、でも…、レトルトのカレー…、最後のやつ、昨日食べちゃったし……」



つぶやきながら、目の前の教科書をばさばさと閉じ、伸びをするついでのように、床に寝転ぶ。
空腹は、途端に、イツキを寂しくさせる。
今、この瞬間ならば、イツキはどんな誘いでも断れそうにないのだけど、残念ながらそれを梶原は知らない。




「……誰か。……梶原、…大野、……佐野っち…。………清水先輩…」



ケータイを手にとり、名前をスクロールさせ、危うく、電話を掛けそうになるのを、堪える。



「……ああ、もう。……誰でもいいのに。…今なら、ご飯も、俺も、食べ放題なのに…」



そう言って、イツキは、自分が酷い冗談を言ったと思い、笑おうと思ったのだけど
よくよく考えればそれは、少しも、楽しい話では無かった。




posted by 白黒ぼたん at 21:56 | TrackBack(0) | 日記
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