2016年06月17日

ミナヅキイツキ・10







「…紛らわしい真似をしたお前が悪い。…最近、チェーンなんぞ、掛けないじゃないか。
俺のいない間に、学校のオトモダチでも引き込んで、ヤリまくっているかと思ったぜ…」

「……そんなの。……するはず、……ないじゃん」

「…まあ、…そうだな。…ふふ、悪い悪い、勘違いだ」




黒川はリビングのソファに座り、一応、謝罪の言葉を口にはするが、それにはまるで誠意というものが感じられない。
むしろ、それ自体を面白がって、鼻で笑う始末なのだが…、…叩かれたイツキは、ちっとも面白くはない。

憮然とした顔のまま、キッチンへ入り、飲みたくもないコーヒーを淹れるための湯を沸かす。



「……西崎さんから電話があって…。なんか、こっち、来そうな感じだったから…、怖くて、鍵、してた……」
「西崎?……ああ、お前、たまに、会っているんだったな」
「会いたくて、会ってる訳じゃないよ。……やりたくて、やってる訳じゃない…」
「結果は同じだろう。身から出た錆というヤツだ…」



加瀬の件を、西崎から聞いている黒川は、相変わらずの憎まれ口を叩く。
イツキは無言でコーヒーをテーブルに置く。

本当は、熱々のそれを、黒川の頭から掛けてやっても良いのだと、思う。



「……俺、…まだ眠いから、…寝る」



それだけ言って、イツキが黒川の傍から離れようとすると、
黒川はイツキの手を掴み、イツキを見上げ、……さっきまでとは少し、違う、笑みを浮かべた。





posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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