2016年06月25日

ミナヅキイツキ・16







月曜日の昼過ぎに一ノ宮が事務所に行くと
そこには、イツキがいた。
数日前にもこんな景色を見たと、一ノ宮は既視感を覚える。

ソファに横になりうとうとしていたのか、イツキは物音に目を覚まし、身体を起こす。
ドアの前に立つ一ノ宮を見つけると、にこりと笑い、眠たそうに欠伸をする。



「……ええと。……社長とご一緒だったのですか?」
「うん。昨日の夜…、ううん、一昨日の夜…、いや、朝だったかな、家に来て…、それからずっと、一緒」
「…社長は?」
「また、どっか行っちゃった。…一ノ宮さんから、青いファイルの入った紙袋、受け取って来いって言われて…。ここで、待ってろって……」
「ああ、はい」



一ノ宮はデスクの脇においてあったその紙袋を、イツキに渡す。
そして部屋の隅の流しに向かい、イツキにコーヒーを淹れてやる。

頂き物だという塩豆大福を皿に乗せ、それもイツキに渡す。
一息ついたら、車で送りますよと微笑み、デスクにもたれるようにして、自分のコーヒーを飲む。



「…一ノ宮さん」
「……はい?」



イツキはコーヒーのカップを両手で持ちながら、少し、思いつめた顔をする。



「…俺、少し、解った気がする。…前に、一ノ宮さんが…、言ってたこと」




posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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