2016年07月08日

岡部一樹、高校三年生(一回ダブり)一学期最後の日、前日夜の出来事・前編







自分の部屋に帰って来たイツキは、玄関のドア鍵を厳重に掛け、よろめきながら中に入る。
身体中、汗だくで、泥汚れまでついている。
とりあえずシャワーと、風呂場に行くと、泥汚れの下には血の滲む擦り傷があって
イツキは泣きたい気持ちになりながら、どうにかそれに堪えるのだった。




別に、大事件が起こった訳ではない。
人相の悪い数名の男に囲まれて、無理やり服を剥ぎ取られ、代わる代わる乱暴に犯された…と、いう程の事ではない。

夕方、イツキはふらりと駅前に買い物に来ていた。
夏物のシャツを2枚と、最近、気に入っているパン屋に寄って、少し疲れたからと、道端のベンチに腰掛ける。
あたりは薄暗くなり、会社帰りのサラリーマンや、すでに飲み始めている若者が往来する。
賑やかな人波を見ているのが楽しくて、イツキはしばらくぼんやりと、そこにたむろする。

…そして、案の定。
イツキの独特の匂いに誘われ、悪い虫が、近寄ってくる。


品の良さそうな中年の男は、普通の顔をしながらイツキの隣に座り
何食わぬ様子で、イツキに、時間などを尋ねる。


「いや、今日は暑いね」
「君は学生さんかな?」
「良かったら、食事でもどうかな?」


そう言いながら、男の手が、イツキの膝の上に載って来たので
イツキは怪訝な顔で「結構です」と言って、ベンチから立ち上がった。




posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/175994990
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
最近のコメント
足りないイツキ by はるりん (10/15)
誘惑・5 by ぼたん (10/13)
誘惑・5 by A (10/12)
誘惑・5 by はるりん (10/12)
誘惑・3 by ぼたん (10/11)
誘惑・3 by はるりん (10/10)
誘惑・2 by ぼたん (10/09)
誘惑・2 by はるりん (10/09)
一応、冗談 by ぼたん (10/04)
一応、冗談 by はるりん (10/03)