2016年07月13日

坩堝・2







午後は梶原と大野とイツキの三人で、カラオケに行って、焼肉屋に行った。
もちろん、カラオケは、イツキは専らタンバリン係だったし、焼肉屋も安価な食べ放題の店だったが、それなりに楽しかった。

最近では、こんな場面では、清水が一緒の事も多かったのだが、今日は別で。
「……そう言えば、清水。……この間、見掛けた。……女の人と…」
と、名前も呼び捨ての、噂話が始まる。

「…多分、美和先生。…あの二人って、やっぱ、そういう仲だったのかな…」
「ああ、そんなウワサあったよな。まあ、美和先生、もううちの学校じゃないんだし。…良いんじゃないの」

梶原と大野がそんな話をするのを、イツキは、特に表情も変えずに


ごま油の掛かったキャベツを、ウサギのようにパリパリと食べながら、聞いていた。





制服で長居が出来る最大限の時間まで、店で過ごし
その後は散歩がてら、明かりの落ちない夜の街を、ブラブラと歩く。
やがて、大野は先に帰ると別れ、梶原はイツキを家まで送って行くと言う。
最初は断っていたのだけど、一人で歩いて、よからぬ連中に絡まれるのも嫌だったので、とりあえず一緒に歩き出す。
途中、半ば笑い話のつもりで、つい昨日出会った変な男の話をすると、梶原は大いに心配し、部屋まで付いて来ると言い出す。



「……それは、駄目…」
「なんで?……あの人、来ちゃう?…黒川さん…」
「……今日は、来ないと、思うけど…」
「俺、もう少し、お前と話がしたいな…」



そんなやりとりをする内に、二人はもう、マンションの下まで来てしまっていた。




posted by 白黒ぼたん at 23:00 | TrackBack(0) | 日記
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