2016年08月16日

坩堝・28







喫茶店を出て、裏手のホテル街へ。
南屋がある一軒を指さし、中に入ろうとすると、イツキは別のところが良いと言う。
「…部屋に、カメラとか、仕掛けてあると、ヤだし」
そう言って、笑う。

部屋に入るとイツキは自分からするする服を脱ぐ。
「…お風呂、入った方が、いい?」と聞き、南屋が「いや、どっちでも」と言うと
シャツ一枚を残し、冷蔵庫からビールを出し、その場で缶を開け一口飲む。


「……ずい分と、手慣れているね」
「…画像は?…先に頂戴。俺、…逃げないでしょ?」
「うん?…あ、ああ」


南屋はポケットから、フラッシュメモリを出し、イツキに渡す。
それは確かに、本物だった。実を言えば妹の裸など、どうでも良いのだ。
イツキはメモリを受け取り、最初は折れないものかと、両端を持って反らせてみたりしたのだが、
ふと、ひらめいて、トイレに向かい、それを便器に放り込み、水を流してしまった。


「これで、おしまい」


そう言って、ふふと笑う姿が、可愛らしくて
南屋は思わず、イツキの背中に抱き付いた。



「…お兄ちゃん、名前、教えてよ……」
「………内緒」



抱き合ったままベッドに倒れ込み、南屋はイツキにキスをする。
こんな状況に慣れ、男を誘う仕草を見せるイツキに、南屋は感心するのだが



ほんの一瞬、イツキが視線を逸らせ
酷く、嫌そうな顔をして、唇をキッと結ぶのなどを見ると…

ますますイツキに惹かれ、溺れて行くのだった。




posted by 白黒ぼたん at 23:49 | TrackBack(0) | 日記
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