2016年09月06日

理由・2







「…いやぁ、お兄ちゃんがいるとは思わなかったよ。何、飲む?…コーヒー?…ん?クリームソーダ?」





客は、やはり、横浜で出会った男、南屋だった。
扉を開けてしまったものの、事務所の中に招き入れ二人きりで待つのもどうかと思い、とりあえず…場所を移動する。
事務所から少し歩いた先のビルの2階にある古い喫茶店。

『横浜の、南屋さんって人が来ています。「ミドリ」で待っています』と、

今回のイツキは多少学習したのか、ちゃんとその旨を、メモ書きにして事務所に残してきた。




「…実はさ、俺、お兄ちゃん、探してたんだよ…。今日、来た理由も、半分それでさ…」



南屋は頼んだコーヒーを飲みながら、上機嫌で、向かいの席にイツキにそう話す。
イツキは、クリームソーダのアイスをスプーンですくいながら、南屋を、ちらりと見上げる。


「……南屋さんって、ずっと、横浜で仕事してるんですか?……あの、横浜の事務所で?」
「うん?ああ。…俺、お兄ちゃん、忘れられなくってさぁ、でも、秋斗さんに聞いても、詳しく教えてくれなくってさぁ…」
「…秋斗く…さん、俺のこと、何て言ってました?」
「黒川社長のトコで働いている子だって。何?事務所の電話番か何か?……お兄ちゃんって、まだ若いよねぇ?…高校生?」


イツキと南屋の会話は若干噛み合わない。
お互い、聞きたい事が、山ほどあるようだった。




posted by 白黒ぼたん at 23:57 | TrackBack(0) | 日記
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