2016年09月13日

理由・7






ただでさえ不安定な関係なのだ。

絶対的な上下関係。時には、平気で他の男に抱かせる。
束縛したかと思えば、手放し、別に恋人がいると噂になる。
自分だって、恋人、ではない。
好きではない。けれど、嫌いではない。多分。


いつだって、よく解らないままだったけれど、あえて、答えを出さずに来たのに。
一つ問題が起きれば、どうしたって、その事ばかりを考えてしまう。

今は、イツキは
自分が、惚れた男にすがる女になったような気がしていた。
それが嫌だった。





「秋斗とは何でもないと言っただろう。仕事だ。…お前だって仕事で、他の男とヤるだろう」
「……!、……じゃあ、秋斗くんと…してるって事じゃん!」
「うるさい!……これ以上ガタガタ言うな!」


イツキのゴタクに黒川も耐えかねたのか、声を荒げる。
イツキは息を飲み、目を丸くして黒川を見つめる。
小さな声で「……帰る」と言うと、黒川も、「…ああ、帰れ」と言う。




イツキは、そのまま四つん這いのまま座敷の端まで行く。


「………マサヤ、さっき、…自分のだって言った…、俺のこと……」


靴を履きながらそう呟くイツキの言葉を、黒川は振り返らずに背中で聞く。


「………でも、マサヤは…、……俺の、じゃ……ないんだね……」




posted by 白黒ぼたん at 22:38 | TrackBack(0) | 日記
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