2016年09月20日

愚痴・2






「………秋斗くんは、……イロイロ問題もありましたが…、今回は純粋に仕事だけ…、ですよ。彼も重々、承知しています。
こちらに一切顔を出さないのも、そういう話の上です」
「……まあね。……そうだよね。……解ってるよ。……ただ、ちょっと…、気になっただけだよ……」


イツキは歯切れ悪く、明らか不機嫌そうに、唇を尖らせながら、そんな事を言う。
…言う事で、その気持ちを認めたくは無かったけれど、吐き出した方が良い時も、たまにはある。



「…マサヤ、いちいちムカつくんだよね。あいつ。
…俺のことは、自分のものだって言うくせに、自分は…誰のものでもない、みたいな感じでさ……」
「そんな事を聞いたのですか?…社長に?」
「…ん」


イツキの話を真面目に聞いていた一ノ宮だったが、少し驚いたようにイツキを見据えると、

次には、声を出して笑い出した。



「…笑い事じゃないよ、一ノ宮さん」
「いや、失礼…。はは…。…社長にそんな事を聞けるのはあなただけですよ」
「だって、ズルイじゃん。俺はまるっきりマサヤの所有物で…、……モノ扱いで……」

「でも、逆に、社長が全てあなたの物になっても大変でしょう?…あんな我儘で横柄な男、手に余りますよ?」



一ノ宮の、冗談とも本気ともつかない、そんな言葉を聞いて

今度はイツキの方が、声を出して笑うのだった。




posted by 白黒ぼたん at 22:56 | TrackBack(0) | 日記
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