2016年10月13日

滑稽な男







黒川は自分でも、自分が滑稽だと、…多少は、思っていた。
普段イツキに、好きに遊んで良い、と言うのは…心の何処かではイツキがそうしないだろうと思っているからで、
実際、他所で好き勝手に、股を開かれては、困る。

自分の指示で、他の男に抱かれるのは、良いのだ。
自分の与り知らぬ所で、何か、心と身体を揺さぶられる事が起きるのは、いただけない。


今も、
セックスの最中に部屋の明かりを落とさないのは、ただ、タイミングを逃したからではない。
愛撫の振りをして、イツキの四肢を伸ばす。指先と唇を這わせながら、新しい傷でも出来てはいないか、探しているのだ。


耳の後ろに、顔を埋める。
嗅いだことのない、別の男の匂いがしないかを、確認する。



「……マサヤ?」
「…うん?」



名前を呼ばれ、顔を上げ、イツキの顔を正面から見据える。
慌てて目を逸らさないのは、多分、何もやましい事が無い証拠なのだと、思う。


「……何だ?」
「明かり、…消そうよ…?」



言いながらイツキは、黒川の首の後ろに手を回し、火照った身体を摺り寄せる。
黒川は、
片手でイツキの背中を抱き、もう片方の手で、部屋の照明のスイッチを落とすのだった。





posted by 白黒ぼたん at 23:30 | TrackBack(0) | 日記
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