2016年10月15日

夕暮れ時







夕暮れ時。
イツキは黒川と別れ、一人、タクシーに乗り品川のマンションに戻る。
眠く、身体が重たいのは、睡眠不足と言うか、単に……ヤリ過ぎだった。
昨晩からほとんど休む間もなく、イツキは、黒川の腕の中で声を上げ続けていた。


「……何だったんだろう、マサヤ。妙に、激しかった…。…絶倫すぎ…」


声に出さずに、ひとりごちて、窓ガラスにもたれ掛り、欠伸をする。
元々、強い男なのだというのは解っているけれど、それにしても…特に何もトラブルもない日に、あれだけ求められるのも珍しくて。
イツキは思い出して、無駄にカラダを熱くする。


悪くは、無かった。
むしろ、良い。



黒川は自分の身体の、裏も表も隅から隅までを知っている。
一番イイところの一歩手前で手を止められて、意地悪く顔を覗き込まれると、もう、どうなってしまうか解らない程、身体が暴走する。
自分一人がどこかに行ってしまわないように、黒川の腕に、ぎゅっとしがみつく。
すると黒川は、嬉しそうな、優しい顔して、微笑む。



おかしい。



これではまるでお互い深く求めあう、恋人同士のようだと、イツキは思う。





その頃の黒川はと言えば、事務所で一ノ宮と、取引先の男と、大事な仕事の話をしていたのだが、
集中が切れ、大あくびをし、一ノ宮に怒られていた。
そして時折、数時間前まで自分の腕の中にいたイツキを思い出し、ニヤニヤと笑い
一ノ宮と、取引先の男に、怪訝な表情で見られてしまうのだった。





posted by 白黒ぼたん at 22:47 | TrackBack(0) | 日記
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